力を抜いて,ゆったりと・・・・


第48回   もう一度地域社会の良さと有難さを見直そう!


■2011年のスタート
日本海側は豪雪だとのニュースをききますが、東京はカラカラの晴天続きです。空気が乾燥しインフルエンザなどの風邪が流行っているようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

2011年がスタートして、早1か月。

昨年は、特に児童虐待や、行方不明の高齢者他、家族の関係が薄れている現状を目の当たりにしたような事件が続き暗い気持になりました。また、新年の朝日新聞で連載された「孤族の国」が話題になり、孤独な日本人の姿が浮き彫りになったように感じ、地域のつながりの大切さを更に感じています。

そして、相前後して、タイガーマスク現象と呼ばれる匿名での寄付、寄贈が全国各地で起こりました。ランドセルのプレゼントが養護施設に届いたり、寄付金が役所に寄せられたりということで、普段あまり知られていない養護施設など福祉施設の様子が、テレビや新聞に取り上げられ人々の関心が集まりました。

これは、久しぶりの明るいニュースでした。

しかし、「社会福祉」と言う言葉について、なかなかピンとこないというのが、現状ではないかと思います。

■「社会福祉協議会」ってどんなところ、ボランティアで何ができるの?
私は、子育て支援のNPOを始めてから、子育て支援は、「社会福祉」の分野だと考え、三鷹市社会福祉協議会や、ボランティアセンターのボランティア活動推進協議会などに5年ほど前から、出席させていただき、市内の福祉活動について参加しながら学んできました。

そんな中、新しく会議に参加される方の中から、社会福祉協議会は何をしている団体なのか、ボランティアで何ができるのかわかりにくいとの声をがあがりました。

社会福祉協議会は、市役所ではなく、民間の社会福祉法人という形で、地域福祉の推進を図ることを目的とした団体です。市民参加によって地域福祉活動を進める拠点である社会福祉協議会は、会員組織になっていて、活動財源も、市などからの補助金、委託料の他、会員会費・寄付金・共同募金分配金などに依っています。そしてこの会員会費や、寄付金は、社会福祉協議会が取り組んでいる地域福祉を推進する幅広い事業活動に使われているのです。

■「三鷹市社会福祉協議会」は、私たち市民が、住みなれた地域で安心して暮らしていくための活動をしています
例えば、
1.児童やひとり親家庭のためには、子育て支援、ひとり親家庭レクリエーション、交通遺児援護金の支給など
2.高齢者のためには、いきいき大学の開設、デイホームの運営助成、高齢者への電話訪問など
3.障害者のためには、障がい者レクリエーションなど
4.恵まれない世帯のためには、入学祝い品等の支給、小中学生補習教室援助、応急援護資金の貸付、緊急法外援護など
5.ボランティア活動のためには、ボランティアセンターの運営、ボランティアグループへの助成、各種ボランティア講座の開催、ボランティアについての相談、助言、福祉ボランティアコーナーの設置、ふれあい秋まつり、交流会などの開催
6.その他の事業として、ほのぼのネット活動の推進、権利擁護センターみたかの運営、福祉バザー、福祉映画会の開催、献血活動の促進、各種募金活動、車いすの貸出、原爆被爆者見舞金支給、傾聴ボランティア
があります。

このように三鷹市社会福祉協議会は、私たちが、住みなれた地域で安心して暮らせるよう地域福祉の視点から課題解決に取り組むための拠点となっています。その取り組みの主役は、市民一人ひとりなのです。より多くの方に、三鷹市社会福祉協議会を知っていただき、参加していただくことが必要です。市役所の健康福祉部と混同して理解されているケースが見受けられとても残念です。

■今年のタイガーマスク現象
今年のタイガーマスク現象の異様な広がりを見て、世の中には、何か人のためになることをしたいけれど、その気持ちを、どこで、どのように実行すればよいか、わからない方が多いのではないかと思い、三鷹市社会福祉協議会の活動について書いてみました。

全国の伊達直人さんやその予備軍の方が、(すでにさまざまな福祉活動をしている方もいらっしゃるかと思いますが)社会福祉協議会の会員になり、寄付やボランティアを積極的にされるといいなあと思います。

■今後さらに重要になっていく「ほのぼのネット」活動
三鷹市社会福祉協議会の活動の中で、今後さらに重要になっていくのが、「ほのぼのネット」だと思っています。

家族関係が崩れ、一人暮らしが増えている昨今ですが、「ほのぼのネット」活動は、地域の福祉ニーズに地域の住民がサポートする「小地域の」ボランティア活動です。地域の高齢者、障がい者、児童、また日常生活でお困りの方々が安心していきいきと暮らせるように、同じ地域に住む住民が「ほのぼのネット員」になって「班」を組織し、”住みよいまちづくり”のために、お茶会、お食事会、公園散策、身近なテーマで講座(講演会)、講習会を開催 、お話や相談相手、見守りなど を行なっています。

小学校区の2分の1の地域を「班」の活動区として市内に28班があり、地区公会堂やコミュニティーセンターを拠点に活動をしています。

ほのぼのネットけやき班など子育て支援のための広場を開催している班もあります。

「ほのぼのネット員」は、民生・児童委員、日赤奉仕団員、老人クラブ会員、自治会・町会、福祉関係団体に所属する住民や地域の特性を知る住民、そして熱意のあるボランティアの方々で構成されています。

■もう一度地域社会の良さと有難さを見直そう!
最近の親子をめぐる事件などを見ていると、地域の見守りの不足や地域に住んでいる人同士の交流が少ないことに思い至ります。

子どもの虐待の問題にしても、地域に知り合いがいたら、また近隣に何らかのSOSを出せていたら・・・と思うことはしばしばです。

どこにいても簡単に、テレビ、パソコン、携帯などで情報を得たり、買い物まで出来てしまう現代、地域のつながりをどうやって取り戻していくのか、15年以上まえから、着実に活動を続けている「ほのぼのネット」やその運営母体である三鷹市社会福祉協議会の活動をもう一度市民が知り、関わっていくことがまず大切だと感じています。

みたかボランティアセンターや、三鷹市社会福祉協議会をご存じない方は、3月の福祉映画会や、毎年11月に各コミュニティーセンターを順番に回って開催されている「ふれあい秋まつり」に参加してみるといいと思います。

子どもを持って初めて知る地域社会の有難さですが、これから先もずっと大事にしていきたいものです。


 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
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nana


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