力を抜いて,ゆったりと・・・・


第52回 コミュニティー・スクール 


■もうすぐ新学期
節電の夏、いかがお過ごしでしたでしょうか?
猛暑、熱帯夜もありましたが、涼しい日も中にはちらほらあり、クーラーに頼らなくても、なんとかなるものだと、またこれまで公共の建物などがいかに冷やしすぎだったのかに、気付かされました。
大震災からもう少しで半年ですが、被災地の復興、原発事故の収束は、思うように進まず、大変な思いをされている方々が、まだ沢山いらっしゃることに胸が痛みます。
一日も早く普段の暮らしを取り戻されますよう祈るばかりです。
さて、もうすぐ新学期、今月は、三鷹市の公立学校全校で取り入れている、コミュニティ・スクール委員会という制度について考えてみます。

■コミュニティー・スクールって???
コミュニティー・スクールということばは、ここ数年、市内のさまざまなところから聞こえてきますが、いまひとつピンとこないという声もまた同様に聞こえてきます。
文部科学省のサイトに、「コミュニティー・スクールについて」というページや、「コミュニティー・スクールって何?」というページがあり、詳しい説明やQ&Aを読むことが出来ますので、キチンと理解したい方は、こちらをお読みいただければと思いますが、なかなか手ごわいです。

そこで、ちょっとWikipediaを覗いてみると、こんな記述がありました。
「コミュニティ・スクール(英: Community School)は、教育行政が自らの所管の公立学校の運営や改革について手が回らないところを、地域住民に積極的にかかわってもらって運営の一部を任せる形態の学校のことである。(後略)」

「手が回らないところを」「地域住民に積極的にかかわってもらって」「運営の一部を任せる」という表現は、とてもわかりやすいと感じました。

つまり、コミュニティ‐・スクールとは、地域の公立学校に保護者や、地域住民が関わり、意見を述べたりして、学校運営にその声を反映させる事が出来る仕組みのことなのですが、従来の学校運営では、手が回らないところも多く、地域住民が積極的に関わることで、学校・家庭・地域社会が一体となってより良い教育の実現に取り組むことをねらいとしており、また地域の創意工夫を生かした特色ある学校づくりを進めることで地域の活性化も期待しているようです。

■学校運営協議会とコミュニティー・スクール委員会
コミュニティー・スクールは、2002年から日本でも実験的に始まり、平成23年4月1日現在、昨年度より160校も増え、全国で789校がコミュニティ・スクールに指定されており、これからも増えていくと思われます。
コミュニティ・スクールには、保護者や地域住民などから構成される学校運営協議会が設けられ、学校運営協議会が学校運営の基本方針を承認したり、教育活動などについて意見を述べたりすることを通じて、保護者、地域の皆さんの意見を学校運営に反映させることができます。
ちょっと複雑になるのですが、三鷹市は、平成21年9月に市内22校が、小・中一貫教育校7学園となったことに伴い、各学校の学校運営協議会が学園ごとにまとまって、コミュニティ・スクール委員会になりました。
ですので、コミュニティー・スクール委員会と学校運営協議会は、委員も同じですし、ほぼ同じ組織と考えて良いようです。

■コミュニティ・スクールの大きなねらいとは?
ちょっと、難しいのですが、以下条例を引用します。

「三鷹市自治基本条例」では、
(学校と地域との連携協力)
第33条 教育委員会は、地域と連携協力し、保護者、地域住民等の学校運営への参加を積極的に進めることにより、地域の力を活かし、創意工夫と特色ある学校づくりを行うものとする。
2 教育委員会は、地域及び市長と連携協力し、学校を核としたコミュニティづくりを進めるものとする
。と定めています。

つまり、学校=コミュニティー・スクールは、地域に開かれた場となり、学校は、本来、児童・生徒の教育の場だけれども、地域で展開されている自治やコミュニティ活動、子育て、福祉、防災、防犯などなど、教育以外の活動との繋がりを作る場となっていきたいということだと思います。

■3.11の教訓
3.11の大震災は、小学校の下校時間に起きたため、既に下校してしまった子ども、学童にいた子ども、下校前の子どもがいて、さまざまな混乱がありました。子どもや高齢者をご家族に持つ方は、特に、日頃の地域との繋がりの大切さを、身にしみて感じた時ではなかったでしょうか?
また、被災地での避難場所のほとんどが、地域の学校であったことは、記憶に新しいことです。もし、災害で自分の家を離れて避難しなければならなくなった時、頼りになるのが、地域の学校なのです。
この大震災は、さまざまなことを見なおすきっかけを私たちに与えたと思います。そのひとつが、地域との繋がりをもう一度考え直すということです。
学齢期の子どもがいるいないに関わらず、まず地域の方が、近くの公立学校に何らかの形で足を運んだり、子どもたちと関わったりすることをスタート地点として、地域との繋がりを深めるきっかけを持ってほしいものだと思っています。

私自身、恥ずかしながら、コミュニティー・スクール委員を拝命し、右も左もわからないまま、まずは、コミュニティー・スクールって何?というところから、スタートし、自分の頭を整理してみることにしました。まだまだ、わからないことだらけで、これから少しずつ学んでいかなければいけません。
次回は、「小・中一貫」と「コミュニティ・スクール」について、考えてみたいと思います。


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nana


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2011年7月号

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