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第55回 新しい年を迎えて〜NPO法人子育てコンビニの活動を振り返る



■2012年の初めに
2011年は、東日本大震災とそれにともなう福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染の問題など、辛くて重い年でした。
新年を迎えてもなお被災地の方々を思うと、「おめでとう」という言葉を言うのはためらわれます。
今年は、去年よりも良い年になりますように!


■NPO法人子育てコンビニが、内閣府特命担当大臣表彰「子育て・家庭支援部門」を受賞
手前味噌ですが、昨年の11月NPO法人子育てコンビニは、子ども若者育成・子育て支援功労者表彰において、内閣府特命担当大臣表彰「子育て・家庭支援部門」をいただきました。
「子育てに関するHP(年間訪問者約40万)、子育て中の女性の社会参加支援、地域SNSコミュニティを活用した親の悩み・不安解消のための話題提供、地域ボランティア事業への参加など、幅広い活動を行っている。」(内閣府資料より)
という評価をいただきました。
市内各所また全国各地で、子育て家庭支援を長い間続けている方がたくさんいらっしゃる中、このような名誉な賞をいただけてとても恐縮しました。
この受賞を機に、今回は、少しこれまでの活動を振り返ってみたいと思います。


■専業で子どもを育てている家庭の支援の必要性
かつては、結婚し、子どもに恵まれ、子育てをすることは、女性にとってしあわせ以外の何物でもないと、誰もが思っていました。
だから、「子育てが不安だ、子育てに自信がない、子育てが楽しめない、子育てが辛い、子育てだけでは満足できない」などと思っても、それを大きな声で言うことははばかられていました。
女性の社会進出や経済的自立が進み、それと反比例で、子どもの数が減っていきました。
このままでは、少子高齢化がますます進むと、さまざまな施策がされ、その中に子育て家庭支援もありました。
働いている親には、保育園がありますが、自宅で就園前の子どもを育てている家庭の支援が以前はありませんでした。
お母さんがそばにいつもいるのだから、支援の必要はないと考えられていたのです。
しかし、専業で子どもを育てているお母さんたちが、のんびり子育てを楽しんでいるのかというと、そうではなく、核家族で一対一の孤独な育児に悩んでいたのです。


■地域で楽しく子育てをしてほしい
そんな孤独なお母さんたちが集まって自主的に子どもたちを一緒に遊ばせたり、預かりあったりするようになり、母子の居場所の必要性の声も行政に届き始めました。
三鷹市内にも、0〜3歳の子どもを育てている母親たちの居場所があちらこちらにでき始め、一時預かりの施設も増えてきました。
それは、ほんの10年ほどの間の変化でした。
2002年に誕生したNPO法人子育てコンビニの活動もそのような流れの中で進み、「みたか子育てねっと・子育てコンビニ」のコーナーで、子育てに関する情報発信を毎月続け、
その他にも、「赤ちゃんと一緒三鷹おでかけマップ」を毎年子ども政策部と一緒に作ってきました。
地域で楽しく子育てをしてほしい、一生懸命子どもを育てている家庭を応援したい、いつもそんな思いで、活動を続けてきました。

活動は、この約10年の間に、徐々に広がり、「子育てコンビニ通信」の年4回の発行したり、小学生の保護者のためのコミュニティ”かきしぶ”をみたか地域SNSポキネット内に立ち上げることを提案し、市の生涯学習課と一緒に実行委員会を作り運営したりしています。
また、昨年から発行を始めた「みたか幼稚園ガイド」も、就園前のお子さんをお持ちのお母さん方にとても喜んで活用していただいています。

■ドキュメンタリー映画「bloom」の製作と上映会という取り組み
中でも、ユニークな取り組みとして、母になったばかりの女性たちの声を集めたドキュメンタリー映画「bloom」の製作と上映会の活動があります。
この活動は、5年ほど前に、会員の一人が、「NPOで映画を作ってみたい。」と言いだしたことがきっかけで始まった取り組みでした。
完成までには、さまざまなハードルがありましたが、この事業ほど会員の気持ちが一つになり大きくなっていった経験はありませんでした。
それがいったいどうしてなのかと考えると、子どもを産み母親になって初めて分かったさまざまなことを、もっと多くの人に知ってほしい、子どもを産み育てるという平凡で小さな日常にも、喜び、しあわせ、悲しみ、辛さ、苦しさ、などの人間ドラマがあり、感動があるということ映画を通して確認し、共感したいという思いがあるのではと思います。


■現代の普通の母親たちの声を届けたい
昨年も子どもをめぐる悲しく痛ましい事件が数多く報道され、小さなお子さんを育てている親世代への支援の必要性があちらこちらで議論され、少しずつ動きも出てきました。

尊く大切な命を産み、育てるという人間の営み。言葉にすれば、美しいのですが、実際の子育ては、手間はかかるし、毎日怒ってばかりいなくてはいけないし・・・と、子どもの成長に時折喜びを感じつつも、たいていは苦労の連続です。その体験が、人を強くし、成長させるのですが、私たちがそれに気づくのは、ある程度時が過ぎ、振り返ることができたとき。小さな子どもとの生活は、余裕もなく無我夢中のうちに過ぎて行きます。

ドキュメンタリー映画「bloom」の中で、話している母親たちは、みなさんのまわりのどこにでもいる〜初めての出産、育児にとまどい、悩みながら、一生懸命生きている〜普通の母親たちです。
現代の母親たちが、この社会で子どもを産み育てることをどんな風に捉えているのか、その根っこのところを社会に知ってもらうことがまず第一歩であると、「bloom」の完成から4年、上映会を続けながら感じました。
私たちが開催する上映会は、上映後に感想を語り合う時間を取り、それも含めて映画が完成すると考えています。参加者は、映画を観ることで自分の思いが溢れ、初対面の方とも話しがはずむようです。
「bloom」は、この度DVDとなり、全国どこでも観たい方のところに届けることが出来るようになりました。


■今年もどうぞよろしくお願いいたします
なんだか活動紹介のようなエッセイになってしまいましたが、NPO法人子育てコンビニは、子育てのスタートにいる若いお母さんたちの不安や悩みを少しでも少なくし、子育てを楽しめる社会になるように、さまざまな角度から活動を続けて行きたいと思っております。
この相談のコーナーに書いているエッセイも今回で55回目となりました。
子どもを産み育てるということについて、これからもみなさまと一緒に考えていきたいと思っています。
ご意見やご感想など寄せていただけければ嬉しいです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。



 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
 子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「子育てコンビニひろば」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
 悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana


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2012年1月号

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