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第57回 講座「ビタミンCinema〜子育て編」のこと


■講座企画から開催まで
 一昨年春から昨年冬にかけて10回ほど、千駄ヶ谷で映画評論家の松本侑壬子先生の「シネマ女性学」という講座を受講し、すっかり映画の魅力に引込まれ、それを楽しそうに語る松本先生のフアンになってしまいました。

「シネマ女性学」講座終了直後の3月末、偶然にも、三鷹市で、女性監督の映画「THE ダイエット」の上映後、松本先生が講演をされることになりました。
その間、3.11、東日本大震災が起き、原発事故の情報に振り回され、これからどうなるのだろうと不安な日々でした。そんな中でも予定通り開催されるということで、余震も度々起こる中出かけて行きましたが、会場には多くの人が集まっていました。

この「THE ダイエット」という映画もなかなか面白かったのですが、松本先生の映画のお話もこの回だけでは物足りないし、三鷹で松本先生の映画の講座を開けないかとこの講演会の関係者に、話しを持ちかけました。

■「ビタミンCinema〜子育て編」誕生まで
NPO法人子育てコンビニは、三鷹ネットワーク大学の賛助会員ですので、講座企画の提案を出すことが出来ます。
そこで、三鷹ネットワーク大学の方に、このような講座を開催できないか、開催するならばどのような方法があるかを相談しました。
連休の頃から先生も含め何度か話し合いを持ち、秋から、1か月に1回、5回連続の講座「ビタミンCinema〜子育て編」が、誕生しました。

タイトルは、子育て中のお母さんたちに映画を観て人生を学び元気になってほしいという思いを込めたものです。

シラバス作成も、松本先生、三鷹市女性問題懇談会の方、子育てコンビニスタッフ、事務局も加わり、メールでやりとりしながら、考えていきました。
そして決まった各回のテーマは、

第1回 「総論 映画と子育て」
第2回 「出産」
第3回 「母と娘」
第4回 「父と娘」
第5回 「仕事と子育て」

映画を観るのは、2回目の「bloom」のみで、他の4回は、テーマにそって、スチール写真などを見ながら、映画を紹介していただきました。

■講座を振り返って
1回目「総論 映画と子育て」では、世界初の女性監督の「キャベツ畑の妖精」を観ることができました。
その撮影時のエピソードや監督アリス・ギイの経歴にも興味がわきました。また、赤ちゃんをめぐる映画もたくさん紹介されました。

2回目「出産」の回では、NPO法人子育てコンビニで製作した「bloom」の上映後、松本先生のコーディネートで、映画製作に関わった塚田さんとわたし、そして講座参加者と「bloom」について、語り合う会になりました。
松本先生の評論家としての見方や、参加者それぞれの感想を聞くことが出来ましたし、資料として金原ひとみの小説「マザーズ」の新聞評なども上げてあり、現代の子育てと母親の問題についても語り合いました。

3回目の「母と娘」では、思いがけず戦後の混乱期に一時期大量に作られたという”母物”と言われる日本の映画のお話しでした。

4回目の「父と娘」では、娘に厳しい父親、子育てする父親、精神的に父親の影響を受ける娘などをテーマにした映画の紹介がありました。

■仕事と子育ては、永遠のテーマ
そして、いよいよ最終回を迎えました。
最終回は、「仕事と子育て」
どれほどの女性が、この問題前に佇んだことでしょう。この問題には、やはり解決はありません。
大変だけど一生懸命生きていかなければいけないというのが、結論と言えば結論なのでしょうか。

先生は、「仕事と子育ては、永遠のテーマです。」と言われました。
母親がいくら愛しているつもりでいても、仕事で家にいない子どもにとっては、愛情を実感できない。
だから、子どもが成長していく中で、親子がしっかりコミュニケーションを取っていくことしか、子どもにとって親の愛を身近に感じることが出来ません。
子どもが折りに触れてどれだけ自分が愛されているか、さまざまないたずらや反抗などで試してくることを、子どもがいる人は、みんな思いあたるでしょう。
親が注ぐ愛と、子どもが親に求める愛は、すれ違うことが多いことも誰しも体験することです。

そんな話や、あんな話、映画の中にいっぱい発見できるし、こんなケースもあるのかとか、わたしだけだと思っていたら、そうではないのねとか。
世界には、知らないこと、見たことも聞いたこともないことがたくさんあります。映画を見て自分の世界の狭さに気づくことも多々あります。
映画は子育てのビタミンになるなと実感した5回の講座でした。

最終回の後は、先生と参加者で30分ほどティータイムを取りました。
参加者一人ずつ講座に出ての感想を語り合いましたが、自分の子育て、親への想い、ご自分の仕事と子育ての間での葛藤など話すことができて、良い時間となりました。

横浜から、三鷹まで一カ月に1回ですが、通ってくださり、ときにはランチもご一緒してくださった先生に感謝!

わたしは、もう子育てを振り返る時期ですが、自分なりに、四苦八苦しながら、でも問題が起きるたびに、なんとか解決しようと一生懸命やってきたなあと感じます。
長男を産んだ直後、喜びもつかの間、なんだかとんでもないことになったと思いながら、試行錯誤の日々を、落ち込んだり元気になったりしながらやってきて、やっと今日まで来たというのが実感です。

でも、だからこそ、今、悩んだり、辛いと感じたりしている若いお母さんたちの不安を少しでも軽くし、元気に、かわいい子どもたちと向き合えるよう、子育て支援の活動を続けたいと思っています。

■余談ですが・・・
余談ですが、今年度アカデミー賞主演女優賞に輝いたメリル・ストリープが、来日し、テレビのインタビューを見ました。
「クレイマー、クレイマー」から33年、4人の子どもの母として女優として輝いている姿を見て、映画って素敵だな、人に元気を与えるなとストレートに感じました。


 


 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
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nana


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2012年3月号

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