第58回 人生の節目に立ち会うということ
■さくらの季節が来ました
さくらが満開の東京ですが、あちらこちらで、入学式帰りの親子連れを見かけます。
今年、新入園、新入学のお子さんをお持ちのご家庭の方々、こころよりお祝い申し上げます。
これから始まる、新しい生活に、親子ともども、期待と不安でいっぱいだと思います。
寒かった冬も終わり、これからは、気候も良くなり、さくらだけでなく、あちらこちらで花が咲き、夏に向かって活動的な季節になりますね。
■卒業式は、大切なセレモニー
3月には、涙の卒園式、卒業式に出席された方も多いかと思います。
わたしも、今年は、地域の小学校、中学校の卒業式に出席する機会をいただき、子どもが成長するということの素晴らしさを、目の当たりにすることが出来ました。
自分の子どもの時から、約10年が経過していて、親として出席しているのとは、また違う客観的な目で子どもたちの姿を見ることが出来、貴重な時間でした。
最近の卒業式では、証書をいただく壇上に上がったとき、まず出席者の方に顔を見せていました。
確かに、かつては、後ろ姿しか見ることが出来ない卒業証書授与でしたが、壇上に立つ子どもの顔を見ることが出来るのは良いなあと感じました。
また、わたしが出席した小学校の卒業式では、人数が少ないということもあり、卒業生が一人ずつ、壇上で出席者に向かって、言葉を言い、そのあと校長先生から卒業証書をいただくというものでした。
将来の夢、親への感謝の気持ち、友だちとの思い出、自分の成長したところ、など内容は様々でしたが、みんな大きな声でおもいおもいの言葉を言う姿はとても感動的で素敵でした。
子どもたちにとっても、親にとっても心に残る、式だったと思います。
出席した保護者の方は、子どもたちの成長ぶりを誇らしく思われたと思います。
そして、これまでの日々を愛おしく振り返られたことと思います。
いつまでも、みんなと一緒にいたいなあとだれしも思うのですが、人生には、否応なく節目というものが訪れるのです。
それを確認し合うのが、卒業式。
卒業式というセレモニーは、大切なものだと感じました。
■世代が一つシフトする
我が家は、下の子が大学を卒業し、地方に行くことになり、引っ越しをしました。
私自身は、地方出身ですので、大学進学の時に、実家を離れ、それ以来40年近く、帰省はしますが、両親とは別々に暮らしてきました。
それを考えると、もう一緒に暮らすことは、ないのかもしれないなと思います。
一人暮らしを始める準備をいろいろと手伝いながら、数日を過ごし、母がわたしにしてくれたこと、母とわたしの昔の会話が、一世代ずれて、再現されていると感じました。
感謝の気持ちはどこかにあるものの、ついあれやこれやとうるさく言われることに辟易し、わたしが、母に向かって言った心ない言葉を、今度は娘から言われているわたしがいました。
世代が、一つ下にシフトしたと感じた瞬間でした。
今はまだそれほどの実感はありませんが、まわりからは、「さみしくなりますね。」と、繰り返し言われています。
我が家も、一つの節目を迎えました。
■今年ご入園、ご入学を迎えるお父さんお母さん、おめでとうございます!
上の世代の方々から、「子育ての期間は、過ぎてしまうとあっという間よ!」と、繰り返し言われていても、真っ最中の時は、いったいいつまで続くの?と思ったものでした。
そして、わたしも、最近は、この言葉を、今子育て真っ最中のおかあさんたちに、ついつい繰り返して言っています。
こうして、先輩から、後輩へと母たちは、体験を語っていくのでしょうか。
わたしは、子育て支援の活動をしながら、たくさんの若いお母さん、お父さんと知り合うチャンスがあります。
みんな、一生懸命に、毎日子どもたちと向き合っています。
一方メディアでは、虐待やモンスターペアレントや、現代の子育てについて、さまざまなマイナスの報道が目につきます。
実際は、毎日毎日朝から、晩まで、子どものお尻を追いかけて、くたくたになっている親たちが、ほとんどなのですが、
メディアで虐待などが取り上げられると、いかにもそういう親が多いかのように、世間では見られているように感じます。
子どもが、泣いているだけでも、虐待を疑われるのではないかと、まじめな母親は、ご近所に気を使っていると言う声を度々耳にします。
虐待の問題は、子どもの命にかかわるので、社会全体で取り組まなければいけない問題ですが、毎日一生懸命がんばっているご家庭に、ときには社会全体でエールを送らなければいけないのではと思います。
そして、入学式があちらこちらで行われている今、子どもの成長の節目に立ち会ったすべてのお父さん、お母さんに、こころから、「おめでとうございます!」と大きな声で言いたいと思います。
ここまで、よくがんばって、お子さんを育てましたね、御苦労さまという言葉を送りたいと思います。
人間の成長の一つの節目である、入園式、入学式ですが、何事もなく無事に迎えられたしあわせをしっかりとかみしめてほしいなあと、見事なさくらの並木の下を歩く親子連れを見ながら感じたのでした
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nana
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