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力を抜いて,ゆったりと・・・・



第76回 街じゅうみんなで〜地域で子育てを支え、虐待を防止するために〜

■杏林大学が2016年三鷹市に新キャンパス移転します
杏林大学病院は皆さんご存知ですが、杏林大学は、三鷹にある医学部以外に、保健学部、総合政策学部、外国語学部および大学院があり、現在八王子にキャンパスがあります。
その八王子キャンパスが、2016年に、三鷹市下連雀に移転することになりました。
そして、杏林大学は、文部科学省による大学教育改革支援事業の一つである「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に「新しい都市型高齢社会における地域と大学の総合知の拠点」というテーマで計画書を申請し、採択され、三鷹産業プラザ内に「杏林CCRC研究所」が設置されこの事業が推進されことになりました。
そのお披露目とも言える”杏林大学・地の拠点事業CCRCフォーラムが、11月2日、30日と2回にわたり、三鷹ネットワーク大学で開催されました。

第1回目は、「地域社会における大学の未来像〜地域の持続的発展にむけて〜」
第2回目は、「街じゅうみんなで〜地域で子育てを支え、虐待を防止するために〜」

第2回目のフォーラムに、わたしもパネリストとして参加しましたので、今月はそのレポートをしたいと思います。

■「こどものことば」
フォーラムは2部に分かれており、第1部は、杏林大学外国語学部金田一秀穂教授の講演でした。
金田一先生は、テレビでもおなじみの先生、どんなお話が聴けるのか楽しみでした。
お話しの内容は、山本太郎議員からクレヨンしんちゃん、タラちゃん、さらには、ポールまで多岐にわたり、面白かったのですが、テーマは「こどものことば」。

人間は、言葉で感じたり考えたりする、そして考えるときに使うのが、母語、日本人であれば日本語です。親の言葉の使い方が、子どもの言葉のほとんどを形成するとがわかっているので、親の責任は重大です。
バイリンガルにあこがれ、外国語を早くから学ばせる親も多いのですが、人は母語で物を考えます。しっかりと母語を身に着ける事が考える力、判断力、表現力を養うとのことです。
言葉を”感じる”力を養う事が大切だと話されました。好奇心があれば、言葉の壁は乗り越えられるとも・・・・

■三鷹市の子育て支援
2部は、パネル討論会。
杏林大学保健学部の熊井利廣准教授がコーディネーターとなり、三鷹市子ども政策部子育て支援課長濱中純子氏、三鷹市子ども家庭支援支援センター長清水節子氏、三鷹市民生・児童委員協議会会長向井百重氏、医学部付属病院医療福祉相談員加藤雅恵氏、そして市内で活動するNPOとして、NPO法人子育てコンビニ小林がパネリストとなり、報告や意見交換を行いました。
まず三鷹市の子育て支援の歩みと概要について、濱中課長からお話があり、次に子ども家庭支援センターの活動について清水センター長からの報告を聞きました。
三鷹市の施設保育支援や在宅子育て支援について、これまでの施策の歩みの説明とこれから地域子ども・子育て支援事業は、地域による見守り・支え合いのネットワークの推進が大切とのお話を聞きました。
また、子ども家庭支援ネットワークの整備により、「すくすくひろば」「のびのびひろば」など広場事業の利用者数が増えており、子供家庭支援センター相談活動の件数は増えてはいても、児童相談所に送致する件数はほとんどないなど支援の成果が感じられる報告もありました。

■虐待を防止するために
何よりも今心配なのが、虐待の問題です。
一昨年始まった、乳児家庭全戸訪問(こんにちはあかちゃん事業)は、訪問率が、24年度で94.2%ととても高く、良い成果が出ているという事です。
この事業は、三鷹市では、地域の民生・児童委員の方が訪問担当をしており、その活や意義について、三鷹市民生・児童委員協議会会長の向井さんがお話しされました。
敬老の日に高齢者のお宅にお祝い金を届けるような形で何か出来ないかという事から、ブックスタートの絵本をもって新生児のいる家庭を訪問する事になったそうです。訪問先からはとても喜ばれているという事ですし、心配な親子の発見や適切なサービスへつなぐことができる大切な取り組みです。
若い方と顔を合わせて、地域のつながりができる事が何より大切で、嬉しいとお話しされていたのが印象に残りました。

そして、私は、市民の立場から、みたか子育てねっと・子育てコンビニを通した、NPOの活動についてお話をしました。
子育てねっと・子育てコンビニは、三鷹市のサイトですが、市民の立場から、情報収集をし発信し続けています。
こんにちはあかちゃん事業が始まった時も、すくすくひろばのセンター長のところに現役のお母さんと取材に行き、記事を掲載しました。
そのほかにも、新しい施設や制度が始まる時は、取材をし情報を発信してきたことなどをお話ししました。

医学部付属病院医療福祉相談室の加藤さんからは、救命センターで日々出会うさまざまな残念なケースをどうしたら防ぐことができるのか、虐待に至らせないためにはどうしたらよいのか、周産期の支援の大切さも含め貴重なお話をうかがいました。

また、最後には移転後の杏林大学へ求めるものについて意見交換しました。現在看護学科の学生ボランティアによる、三鷹市内保育園での「いのちのおはなしかい」の紹介もあり、地域との連携がすでに始まっていることも知りました。
■地域のつながりを生かしていきたい
市内には、個々にさまざまな活動はありますが、なかなか詳しく内容を知り、お互いに顔を合わせる機会を持ち、連携を取ることは難しい状況です。
行政、大学や学校、病院、企業、NPOや市民団体、市民、それぞれが例えば、今回の様に虐待の問題などの課題をともに考え、アイデアを出し合う、このようなフォーラムや勉強会が、これからも開催され、様々なセクターが地域の課題解決のためにつながっていくことができれば住みやすい地域社会が出来るのではと思います。
95名もの参加者があり、市内で様々な活動をする市民も多く参加されていて、終わりには質問もたくさん出ていました。
今回は、杏林大学「地(知)の拠点整備事業」ということで、普段はあまり接点のない、杏林大学や病院関係の方々とお知り合いになる機会をいただきました。
この地域のつながりを、「孤独な育児からの解放と、子育てを楽しめる環境づくりをめざす」私達のNPO活動に何かの形で生かしていければと考えています。


 みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
 子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「子育てコンビニひろば」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
 悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana


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2013年12月号

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