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第82回 子育ては思い通りにならないもの


■こころにひっかかる言葉
世界的にも天候の異常が多く、梅雨の雨の降り方も、集中豪雨のようだったり、三鷹でも雹がふるなど不安定なお天気です。
梅雨明けと夏休みが待ち遠しい時期となりました。夏休みの計画は進んでいますか?
わたしは、子育て支援の活動をしているので、さまざまな勉強会に出かけたり、子育てに関する本を読んだり、映画を観たりすることが多いのですが、
そんな中で、その時々によって、こころにひっかかる言葉があります。
最近よく耳にして、そうだ、そうだ!と納得するのが、「子育ては思い通りに行きませんから。」という言葉です。

■紆余曲折を経て現実を知る
NPOの活動を始めた中学生だった長男、小学生だった長女は大人になってしまい、もうすっかりわたしの手から離れてしまいました。このエッセイを読み返すと、寂しさや痛みを伴いながら子離れをしたことを思い出します。
合宿や、短期留学などで初めて子どもと長期間離れた時の気が抜けてしまったような寂しさなど、時がたつと忘れ、気がつくと子育て期とは違う時間を生きている自分がいます。
二人の子どもたちは、それぞれ自分の世界を持ち自分の道を歩き始めました。
子育てを始めた頃は、いろいろ夢を描いたりしたものですが、紆余曲折を経て現実を知り、親もそれなりに成長させてもらったかなと感じるようになりました。
そんな時に、偉い先生方が、口をそろえて「子育ては思い通りに行きません。」ときっぱりと、言われるととても安心します。

■親子関係と子どもの問題
ときどきテレビなどで紹介される天才と呼ばれる子どもたちとその親、ステージママなど、親子でがんばってうちの子は親の思ったように育っていますといったような例を見ると、何もしていない自分はダメな親じゃないかと思ってしまったりしませんか?
わたしもついこのような情報にあおられそうになって、子どもの才能をみつけてのばしてあげなければいけないのではないかと思ったこともありました。
でも子どもと言っても意思がありますから、思い通りになんて行きようがなく、無理をすれば親子関係が悪くなりますし、自分もイライラするしで、そんな日常をどうやり過ごすかをいつも考えていたように思います。
毎日一生懸命子どものためにやっているのに、どうして言う事を聞いてくれないの、わかってくれないのという思いでいっぱいでした。
更に、家の場合は、長女の不登校という大きな問題があったので、親としてわたし自身がとても苦しみましたし、心理カウンセリングなどの勉強をする機会をもち、親子の関係がいかに子どもの問題に影響しているかを学びました。
この勉強をしたことは、その後の子育てや自分の精神衛生のために良かったのではないかと思っています。
とはいえ、特に思春期から自立するまでは、そばにいる子どもを見ていると歯がゆいことばかりで、心の中は戦いのような日々だったと思います。
親子の気持ちのすれ違いや、世代間のギャップやらを痛いほど感じながら、こうすればいいのに、ああすれば・・・・と思う気持ちをおさえつつ、本人の意思を大切にしながら親子関係を作っていきました。

■子どもを育てて自分も成長
自分の親との関係が、子どもを育てている今も良くないという声を聞くことがあります。
母親との確執、父親との不仲・・・・
自分の子どもの頃の嫌な記憶が子育てをしていて思い出されて、親を許せないと言ったケースです。
わたし自身も、子育てを始めた頃にいろいろとよみがえった思い出がありました。でも、子どもの頃のわたしがされたり、言われたりして嫌だと思ったことは、自分の子どもには、絶対にしないとある時決めたように思います。
もちろん気づかずにやってしまう事もあり、これが親心だったのかと、その立場になって初めてわかることもありました。
また反対に、父や母からもらった言葉で嬉しかったことなどは、自分の子育てにも実践しました。
そんな経験をしながら、現在は自分の親との関係も良くなってきたと思っています。
子どもをもって間もない、若いお母さんたちと話をしていて、子育てを始めてからやっと親の気持ちやありがたさがわかったという言葉を聞き、子どもを育てることで人は成長するものだとつくづく思います。


■「子育ては思い通りにならないもの」
今子育て真っ最中のみなさんも、いつか「子育ては思い通りにならないもの」という言葉に、ほっと癒される日が来ることをでしょう。
まだまだ先だと思っていても、その日は案外早くやってくるものです。
そういえば、私が大人になってから、母がふと「お花は水をやるとちゃんと咲く、植物は裏切らないね。」とポツリと漏らした言葉に今は共感すら覚えます。

今日、仕事帰りに、ベビーカーに座った8か月くらいの赤ちゃんが、外の景色を見て、嬉しそうに「キャッツ!キャッツ!」と大声をあげていました。お母さんとゆったりお散歩中、わたしも赤ちゃんの顔を覗いてにっこりしたら、赤ちゃんもにっこり!
また、同時にとても疲れた顔のお母さんを見かけました。見ると、ベビーカーに3か月くらいの赤ちゃん、それに覆いかぶさるように足をかけて乗っている2歳くらいの男の子、その前を歩く4歳くらいのお兄ちゃんと3人の子どもを連れてのお買いものの帰りでした。
これから、家に帰って、ご飯の支度です。
思わず心の中で、「あ〜大変だ。がんばって〜!」と叫んでしまいました。

子どものために毎日がんばっているお母さん、お父さんをこれからも応援し続けたいと思っています。


 みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
 子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「子育てコンビニひろば」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
 悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana


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