第83回 親子で夢を語り合ってみませんか?
■夏休みは、普段と違う体験ができるチャンスです
夏休みに入り、電車やバスに乗ると、沢山の子どもたちに出会います。
お父さん、お母さんと楽しそうにお出かけしている様子を見ると、昔の夏休み気分がよみがえり、暑い中子ども達と、プールに行ったり、電車のスタンプラリーに参加したり、動物園や、博物館に出かけたことを思い出します。
長い夏休みの間、お子さんが保育所や学童保育に入所している場合は別ですが、家庭で過ごす場合は、毎日を子ども達とどんな風に過ごすのか、親としては頭が痛いことと思います。
夏休みは、子どもにとって新しい体験がたくさんできるチャンスです。
お子さんと話し合って、普段できないことを思い切ってやってみるのも良いですし、日頃学校やおけいこ事で忙しい子どもは、家でぼーっとして過ごすのも良いかもしれません。
子どもはエネルギーの塊のようなものですから、しばらく休んだらまたすぐに元気になって動き始めます。
■教育費にお金がかかると言うけれど
子どもの塾代がかかって、パートに出ないと大変だ、などと言う声をよく聞きます。
教育費にお金がかかるという話は、今に始まった事ではありません。
そしてお金をかければ安心というものでもありません。
子ども自身にはっきりとした目標があって、塾に通う場合は、効果があるかもしれませんが、単なる成績アップが目的だと、点数で評価をされるので、勉強が苦手な子は、がんばる意欲が出ず、効果があがらないのではないでしょうか。
そうすると、こんなにお金をかけたのにどうして出来ないの、という親の不満につながり、親子の関係が悪くなります。
やはり、何をするにも、目標がないと、やる気も起きないのではないでしょうか。
■「夢は牛のお医者さん」
「夢は牛のお医者さん」というドキュメンタリー映画を観ました。新潟の山あいの村にある小さな小学校に、ある年新入生がいないという事で、3頭の牛がクラスメートとして入学します。テレビの情報番組で牛の入学式の取材をしたのが、そもそものきかっけでした。
子ども達は一生懸命牛の世話をし、牛たちとのつらい別れや、命の大切さを体験の中から学んでいきます。
当時小学3年生だった知美さんは、毎日学校で牛の世話をするうちに牛のお医者さんになりたいという夢を持ちます。
知美さんは夢を実現するために、親元を離れて下宿し、高校の3年間は、テレビも見ずに勉強して、難関の国立大の獣医学部に見事合格し、獣医になりました。
今では、生まれ故郷の村で、畜産農家に頼りにされるベテランの獣医さんとして活躍中です。
結婚もし、二人の男の子の母親でもあります。
映画は、知美さんのこの27年間を追っていますが、まっすぐに自分の夢を追い続ける少女の姿に大きな感動を覚えました。
また厳しい自然環境の中での、家族や村の人々の温かい人間関係は、様々な面で恵まれた都会で暮らす私たちが忘れてしまった何かを思い出させてくれました。
子どもの育ちや教育とは何なのかという事を、改めて深く考えさせられる作品でした。
小中学生や、学校の先生方にもぜひ観て欲しいと思います。
■夢を持ちましょう
誰でも夢を持つことは大切だと思います。
子どもと夢を語り合ったり、お父さん、お母さん自身も、これから何かやってみたいことを見つけてみませんか?
急にそう言われても、簡単には見つからないと思いますが、「これがしたい、これが好き。」と言う気持ちはだれにでもあると思います。
それは、一人ひとり違います。
上手にできるけど好きじゃない、下手だけどこれが好きという事もあるでしょう。
だれでも一つや二つやってみたいこと、好きな事がありませんか?
「これがしたい、これが好き」 から、広がっていく自分の夢を持ち続けると、きっとその夢は叶うはず。
何かしたいことを見つけた時に発揮する子どもの力は半端ではありません。
しっかりとした目標が持てて、それを実現するための勉強だったら子どもはがんばります。
子どものためにと、レールを敷いてやったり、先回りして指示をしたりせず、失敗してもじっと子どもを見守り応援するのが、親の役目だと思います。
本気をだしたら、子どもの持つ力は、無限ですから、少々の勉強の遅れは取り戻せると思うのです。
■親は子どもの夢の応援者
英語、スポーツ、学習を指導する保育施設が、最近増えています。費用が高額でも人気があるそうですが、わたしは、なんだか子どもを他人任せにしているような印象を受けてしまいます。
子どもにとって一番身近な存在であるお父さん、お母さんが、子どもと向き合って、たくさん話をし、一緒に何かをすることによって、子どもは安心して成長していきます。
特に夏休みのような長い休みは、子どもと過ごす時間がいつもよりずっと長く、子どものことを知る良いチャンスです。
また、普段できない体験や思いがけない出会いに恵まれるときでもあります。
将来の夢がなかなか決まらない子も多いと思いますが、何か好きな事、やりたいことを、そばにいて、見守り、支えるのは、お父さん、お母さんをふくむ家族以外にありません。
目先の成績にとやかく言う前に、子どもが将来何をしたいのか、何が好きなのか、そしてどんな夢を持っているのかを親子で話し合うことが大切なのではと思います。
今年も暑い夏になりました。
熱中症に気を付けて、思い出に残る楽しい夏休みをお過ごしください。
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2014年8月号