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第87回 にっぽん子育て応援団 緊急アピール!


■いよいよ来年からスタートなのに・・・・
年2回開催されている、にっぽん子育て応援団のフォーラムへは、2009年から毎回欠かさず参加してきました。
"にっぽんの子育て、なんとかしなくちゃ!"から始まり、はや6年が経ちました。
子ども・子育て関連三法が3党合意で可決成立した2年前の夏、それから準備期間を経て、平成27年春から子ども・子育て支援新制度が、本格スタートします。
しかし目前まで来たこの時期に、解散総選挙、加えて消費税を10%に引き上げが延期となりました。
この新しい制度を動かす財源は、消費税なのです。
私も含め、これからどうなるのだろうかと言う気持ちで参加された方も多かったのではないかと思います。

■子ども・子育て会議地方版
今回のフォーラムですが、タイトルは「いま子ども・子育て支援からこの国の未来を考える」でした。
第一部のパネルディスカッションは、「決定!わがまちの子ども・子育て支援事業計画」と題し、尼崎市、桑名市、逗子市。流山市から立場はそれぞれ違って、行政の担当者や、市の子ども・子育て会議の委員の方々4名がパネリストとなり、自分のまちの子ども・子育て会議の様子や、策定中の子ども・子育て支援事業計画についてのディスカッションが行われました。
コーディネーターは、大豆生田啓友 玉川大学教育学部教授、コメンテーターは 長田内閣府子ども・子育て支援新制度施行準備担当参事官と言う顔ぶれでした。
子ども・子育て会議については、委員の構成や人数なども本当に行政によって違いますし、会議の回数や、分科会があるかなどまで様々で驚きました。
大豆生田先生の言葉を借りれば、「この制度が出来たこと自体が画期的」な事なのだから、子ども・子育て会議地方版はとても大切です。
市民が一緒に考えていく仕組みができているのかという事をじっくりと見て考えていかなければと感じました。


■市民の声をどうやって政治に伝えるのか
恒例になった”勝手に表彰!おしえて!子ども・子育て支援新制度準備大賞”の発表と休憩の後、第二部もパネルディスカッション「どう実現する?子ども・子育て支援政策〜まだまだ足りない!4000億円〜」が始まりました。

今度のパネリストは、自由民主党参議院議員猪口邦子さん、公明党前衆議院議員古谷範子さん、民主党参議院議員徳永エリさん、コーディネーターは、団長の堀田力さんと企画委員の奥山千鶴子さんでした。
堀田さんから、消費税が先送りになったことについて、どう思ったかと言う質問からスタートしました。
いずれも女性議員で、子育て支援に関心の高い方々なので、子どもの問題がまず頭に浮かんだ方、その問題の担当者の顔が浮かんだ、今なぜ解散なのかと思ったなどどそれぞれの政治家としての心境を話されました。
与党の猪口さんからは、27年度からの子ども・子育て新制度のスタートに消費税の影響はないし、8%でも改善され、安心して進められると思うという発言がありましたが、財源はつなぎ国債になるとのこと、これ以上国の借金を子どもたちに残してよいのかと思います。

何と言っても男性が多い国会、党内で子育て支援に理解があるかどうかという質問もコーディネーターから出ていました。
子どもの貧困の問題、雇用の安定化、教育支援、女性の就労、非正規雇用の問題、ワークライフバランスの問題、新制度後の幼稚園、保育園、子ども園のこと・・・・会場からもたくさんの質問が出て、活発な意見交換もなされたパネルディスカッションでした。
最後に、「子ども・子育て支援新制度を円滑にスタートさせるための財源確保を求める緊急アピール」が、にっぽん子育て応援団より、パネリストの政治家の方々に渡されました。
市民の声がこのような形で政治の現場にいる方に伝わり、子育ての現状の改善につながることを希望します。
詳しいフォーラムの内容については、にっぽん子育て応援団のサイトで、後日発表されると思いますので、関心のある方はそちらをご覧ください。

■まずは新制度の理解から
介護保険制度ができるまでは、我が国の高齢者の介護は主に家族が、ほとんどの場合女性が担うものとされていましたが、2000年から介護保険がスタートしました。介護に対する不安や悩みは国民共通のものとなり、みんなで支える仕組みになりました。
長い間祖母の介護をしていた実家の母は、この制度が出来た時、自分はもう終わってしまった事でしたが、とても喜んでいたのを覚えています。
子育ても同様に家庭内の主に母親だけが担うものではなく、医療、年金、介護に並んで、福祉の4本柱の一つにし、子育てを国全体で支えていくというのが、新しい制度の趣旨です。
この制度が出来るまでの長い道のりを、子育て支援NPOとして見てきて、やっとスタートするという時期に来ているのに、子育て中の家庭や子育て支援活動をしている方々にこの仕組みがどれだけ知られているのかとても心配になっています。

これまでの制度があまりにも時代遅れになっており、そのために時代に合った制度が出来たわけですが、うまく機能するまでには、かなりの時間がかかるものと思います。
子どもがいるいないに拘らず、市民が広くこの制度を知り、理解し、変わっていかなければいけないという意識を共有できないと厳しいのではないかと感じています。
新制度は、幼稚園と保育所のふたつの機能を持ち親が働いているかどうかに関わらず利用できる「認定こども園」の拡充を目指していますが、仕組みが大きく変わることで、手続きや、保育料、また経営者への補助金の減収など混乱が出ています。
この秋に来年度から新制度に移行するかどうか、私立幼稚園の経営者の方々は決断を迫られていました。
しばらくは、不安定な時期が続き落ち着かないかと思います。

先日も、「子ども・子育て支援新制度」が27年4月から本格的に施行されるという事で、概要や手続き方法などについて、利用者を対象とした説明会が開催されました。
主に保育園を利用している保護者対象だったそうですが、熱心にさまざまな質問がされていたという事です。
このような説明会がもっと頻繁に開かれ、この制度について理解を広げないと、幼児期の学校教育・保育や地域の子ども・子育て支援を総合的に推進する新しい仕組みがせっかくできたのにうまく働かなくなってしまうのではないかと心配になります。
とはいえ、固い言葉、複雑な仕組み、なんとかわかりやすくならないかなあと思います。
まずは身近なところから、新しい制度がスタートすることを知らせて行こうと思っています。
新制度については、「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK」の参照をお勧めします。

■政治に無関心でいてはいけない
12月に入り、クリスマスイベントもあちこちで行われています。
ほのぼのネットけやき班主催のおやこひろば「子育て中のおかあさん集まれの会」にお邪魔しました。
近所だけでなく、ちょっと離れた地域からの参加者もあり地区公会堂は、たくさんの赤ちゃん連れのお母さんでいっぱいでした。
サンタの恰好をした三鷹在住のシンガーソングライターぬまっちさんの歌には、子育て中のお母さんを応援するものもあり、普段生演奏を聴く機会がない若いお母さんたちはとても楽しそうでした。
24時間休む間もなく小さな子どものいのちを守り育てるおかあさんには、しっかりとした子育て支援の制度と地域のたくさんの方々の応援が必要です。
この時期にどうして解散総選挙なのかと政治不信になりそうですが、政治については、やはり無関心でいてはいけないと思い、立候補者や政党の考えをちゃんと知って選挙に行かなければと思います。
子育て支援と政治は、結びついているのですから。


 みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
 子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「子育てコンビニひろば」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
 悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana


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2014年12月号

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