HOMEそうだん力を抜いて、ゆったりと・・・第94回一人より二人?

相談 力を抜いて、ゆったりと・・・


第94回 一人より二人?

■夏本番
梅雨明けが近づき、猛暑到来、体調管理は大丈夫ですか?
これまでも時々わが家の家族構成の変化について書いてきましたが、ここ数年の間に、子どもの成長や、夫の仕事の関係で、4人から、時々1人、2人、3人と、様々なパターンを経験しました。
そんな中で感じたことを今月は書いてみたいと思います。

■キーワードは食事
わたしは、26歳で結婚して二人の生活が始まりました。共働きでしたので、忙しくも充実した日々でした。
夫の仕事が不規則だったので、どの程度一緒に食事をしていたか良く覚えていません。
調理技術が未熟だったため失敗は多かったかと思いますが、食事の支度が大変だった記憶はあまりありません。
もしかしたら、週末ぐらいしかキチンと食事をしていなかったのかもしれません。

食事のことに気を配り始めたのは、やはり妊娠してからです。
母子手帳をもらいに行き、配布された妊娠中の注意を読むと、食事についていろいろ書いてありました。
栄養のバランスを考え、体重が増えすぎないように気をつけ、貧血にならないように、レバーを食べたり、ホウレンソウを食べたり・・・気をつけたつもりなのに、体重は増え、貧血だと言われてがっかりしたものです。

そして出産後は、おっぱいをたくさん出すために、ゴボウや大根など根菜が入ったお味噌汁など、赤ちゃんの血となり肉となると思うと、せっせと身体によさそうなものを食べました。
お蔭で、出産後10キロほど増えた体重は、ほとんど減らず、スカートを買いに行ってもサイズがないという不測の事態になりました。

■毎日の大切な仕事
離乳食が始まり、果物、野菜、魚、肉、乳製品、卵、豆類・・・・少しずつ食べられるものを増やしていき、大人と同じものを同じように食べるまでに成長させるのに、振り返ると10年はかかったように思います。
日々の食事について考えることが、日常となり、買い出しから、調理、後片付けまでの一連の食事の支度は、家事の中でも最も重要かつ時間のかかる仕事になりました。
その間、子どもがいなかった頃に食べた大人の味のあれこれ、タイカレーとか辛い麻婆豆腐などは、しばしお預け状態でした。
子ども達にもそれぞれ好きなもの嫌いなものがある事がわかってくると、お弁当づくりや毎晩のおかずを決める時に、家族の顔を思い浮かべながら、今日は何にしようかと考えたものです。

■夢に見たおひとりさまの食事
上の子を産んでから約30年、子ども達がそれぞれ大人になってしまい、家族四人がそろって食卓を囲む回数は、今では一年に数えるほどしかありません。
一時は、家族それぞれが別々の場所で暮らした時期もあり、わたしもおひとりさまの夕食を何度も経験しました。
正直に言うと、一人分だけの食事の支度は、最初は楽しかったです。
自分の食べたいものを、食べたいだけ用意して、しかも時間も自分の都合でよいのですから。
毎日家族の食べたいものをあれこれ考えていた身には、夢のようでした。

ところが、しばらくこんな生活をすると、食事の支度が少しずつ疎かになってきました。
一人分だと材料が余るので、食材を色々揃えられない事もあり、スーパーやデバ地下のおひとりさま用のお惣菜を買って済ませたりするようになってきます。
あまりお腹がすかないときなどは、栄養的にイマイチでもあり合わせで済ませる事も多くなりがちでした。
あんなに面倒くさいと思っていた食事の支度も、しばらくやらないと懐かしくなり、たまにする2人〜3人分の食事の買い物にウキウキする自分に驚きました。

■一人分と二人分の大きなちがい
昨年末から夫が体調を崩し、わたしが赴任先に常駐することになり再び二人の生活が始まりました。
しかも療養生活なので、子育て中のような感じで、栄養バランスに気を使い始めました。
出来るだけ農薬を使わない野菜を取り寄せたり、免疫力がアップするレシピなどを参考にしながらメニューを考えたり、冷蔵庫には常に多くの種類の野菜を常備するようになりました。
そして、1人分と、2人分では、買い物の量がずいぶん違う事に気がつきました。
二人分と三人分がほとんど同じと感じるのに比べて、一人分と二人分の差は大きいのです。

そんな話を独身一人暮らし歴30年の友達にしたところ、彼女は、最近退院後の母親の食事の支度をするようになり、同じことに気づいたといいます。
「二人分の食事の支度って、こんなに楽だったの?」というのです。
「二人分だと、食べ残しを心配せずに種類を多く作れるのがいいね。」と。

仕事で疲れて帰っても、自分の分だけだと適当にするところも、病気のお母さんのためだと、帰宅してすぐにエプロンをして準備に取りかかり、それが苦にならないとそうです。
誰かのために食事の支度をすること、そして喜んでもらえる事にやりがいも感じたようです。

■二羽のカラス
先日近くの公園で、二羽のカラスを見かけました。
道端でカラスに出会うと、ちょっと怖いなと身構えますが、二羽揃って、灌木の下で休んでいる姿は、黒いカラスでも微笑ましく、仲睦まじく見えました。
調べてみると、カラスは夫婦で子育てをするそうです。
これから家族を作るカラスのカップルだったのかな?
おひとりさまは、同居人に面倒な気遣いをしなくてよいし、自由な気がして、誰もが一度はあこがれる暮らし方ではないでしょうか。
しかし、人間は、いつかは一人になるのだから、できれば二人以上で暮らすのが、暮らしやすいのではないかと、いろいろ経験した結果思うようになりました。
晩婚化や生涯独身の人も増え、単身世帯が多くなっていると聞きますが、食事はやはり、一人より二人以上でした方が美味しいし、経済的だし、なにより楽しいと思うのです。
家族との毎日の食事の時間、大切にしたいものです。


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nana


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2015年7月号

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