HOMEそうだん力を抜いて、ゆったりと・・・第95回思いがけないプレゼント

相談 力を抜いて、ゆったりと・・・


第96回 家族の記録から発見したこと

■シルバーウイークが定着してきました
9月にゴールデンウイーク並みの長い連休ができ、シルバーウイークと言うそうです。
今年は、2日休めば9連休と言う長いものでした。
国内、海外と旅行された方も多かったのではないでしょうか。
子どもがいた頃は、休日この季節は、車で道志川などにデイキャンプなどに出かけていました。
そして写真やビデオをたくさん撮ったものでした。

■想い出ビデオ
わたしが子どもを育てていた時代は、デジタル化がどんどん進んだときでした。
今では常識となった、結婚式のビデオ撮影は、まだありませんでしたが、子どもの誕生あたりからは、家庭用ビデオが普及し始めました。
ベータ、8ミリ、レザーディスク、VHDなどさまざまなメディアが競争した結果、家庭用ビデオ方式としてVHSがスタンダードとなったのですが、その後も、どんどんコンパクト化していき、今はDVDだけでなく、もっと小さなメディアにも動画が収まるようになってしまいました。
そしてそれに伴って、再生機材も進化し、昔撮ったものを家庭で再生する事すらできなくなってしまいました。
わが家でも、撮りためたビデオカセットが、60本ほど眠っていました。
このままでは、もう見ることもなく、ゴミになってしまうのかと思っていたところ、想い出ビデオというサービスを知りました。

最近、写真屋さんやインターネットの広告で、昔撮ったビデオをDVD化しませんかと言う宣伝を良く見かけます。
お試しで、数本お願いしてみました。
さすがに古くなっていて、カビや劣化などのためにダビングが出来なかったものも少しありましたが、8割程度は、作業可能でした。

この夏、子ども達が久し振りに家に揃ったので、最初に届いた数本を見ることにしました。
こういうものは、一人で見ても面白くありません。
みんなで観るに限ります。

■懐かしい映像
最初に観たのは、娘の誕生の時のものでした。
退院の時、義父母とお兄ちゃんが迎えに来た様子が写っていました。
もの珍しそうに、赤ちゃんを覗き込む三歳の息子。
病室で、お兄ちゃんになったという得意げな顔をして、嬉しそうにはしゃいでいました。
そして、今の私たちと同じくらいの年齢の今は亡き義父母、わたしの入院の間息子の面倒を見てもらったり、いろいろと手伝って頂いたことを今更のように懐かしく思い出します。

■意外な発見も
何の編集もなく、撮ったままのビデオなので、簡単なメモがついている以外は、次に何が出てくるかわかりません。
ある日の息子のベビースイミングの様子のビデオがありました。
すっかり忘れていたのですが、私が下の子の臨月の頃、一度夫がプールに入ったことがあったようで、その時の様子が写っていました。
若いお母さん方の中に混じって、息子を抱き上げたりしながら、インストラクターの指示を聞きながら、ベビースイミングに参加する夫の姿。
あれっ?こんなこともしてくれていたんだと、意外な発見でした。

子育てしていたころ、いつも家にいなかった、一度家を出るといつ帰ってくるかわからず、いつも仕事ばかりしていたというのが若いころの夫のイメージなのですが、こんな証拠を残していたとは・・・・
いつも、不満ばかり言っていたことを、ちょっと反省しました。

■過去の記憶は、自分の都合の良いようにしてしまうもの
それと、自分についての子育て中のイメージもちょっと違っていました。
子どもが小さかった頃は、美容院に行く暇もなく、髪の毛振り乱して、着の身着のままだったとばかり思っていた私が、お出かけの時は、そこそこおしゃれをしていたのです。
当時は、バブル期で一般的に、ファッションも派手で、お化粧も濃かった時代。
「なんか、あの頃って韓流ドラマっぽいね?」と言うと、子ども達からは、「・・・北朝鮮?」などというリアクションが帰ってきて大笑いでした。

わたしだけかもしれませんが、人間はどうも、過去の記憶を、自分中心に編集してしまうのかもしれないと思いました。
同窓会などで昔の友達と話していても、同じようなことに気がつきます。
当時の事で覚えている内容が人によって違ったりするからです。

■こころの中にしっかりと家族の想い出を刻みましょう
わが家の想い出ビデオ、まだ観ていないものが山ほどありますが、新たな過去の事実がよみがえるのでしょうか?
もうみんな大人になってしまいましたが、よく一緒に食事をしたり、旅行に出かけた義姉の家族も集まって観る機会があると、家族にしかわからない懐かしいあれこれが思い出されて楽しいのではないかと思っています。

スマホなどで気軽に写真や動画を撮って残せる現代の親たちは、膨大な家族の記録をどんなふうに処理していくのでしょうか?
20年、30年後には、また違うメディアになってしまっているのでしょうか?
わたしには、想像することもできませんが、大切なのは、こころの中にしっかりと家族のあたたかく楽しい想い出を刻んでおくことではないでしょうか。
こころの中に生き続ける家族との楽しい想い出は、辛く悲しい時のあなたの支えになることでしょう。


 みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
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nana


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2015年10月号

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