公開日 2016/07/01
予防接種について
みなさん初めまして。みなみうら生協診療所の金子 惇(まこと)と申します。今月から月に1回健康について書かせて頂くことになりました。
連雀通りの南浦の交差点近くにある「みなみうら生協診療所」というところで働いている医師で、高齢者の外来、訪問診療や小児の診療、予防接種を中心に活動させてもらっています。自分は2年前に東京に来ましたが、それ以前は人口1300人の沖縄の離島・伊平屋島診療所で島内唯一の医師として3年間働いていました。
金子の働いていた沖縄の離島です。島と島の間に橋がかかっていて人々が行き来します。
0歳の子どもさんから100歳を超える高齢者の方まで来る診療所で、「ハブに咬まれた」などの外傷から「学校に行こうとすると体調が悪くなる」といったこころの問題まで幅広く取り組ませてもらっていました。三鷹の皆さんにも分かりやすい言葉で健康についてお伝えし、一緒に考えていけたらと思いますので宜しくお願いします。
◆予防接種の組み方について
第1回目は予防接種についてです。
現在子どもたちの予防接種は0歳から1歳までの間に、
・4種類の定期接種(市役所から通知があり、お金もかからないもの)
BCG(1回)、ポリオ+DPT(4種混合:4回)、肺炎球菌(4回)、インフルエンザ桿菌(ヒブワクチン:4回)
・2種類の任意接種(診療所でお金を払って受けるもの)
B型肝炎(3回:2016年10月以後に定期接種化の予定)、ロタウイルス(2回もしくは3回)
の6種類があり、1歳を過ぎると更に、麻疹風疹、おたふくかぜ、みずぼうそう、日本脳炎などが加わります。
昔に比べると数も増えていて、受ける赤ちゃんも連れてくる親御さんも大変です。しかし増えた予防接種は髄膜炎という命に関わる病気を予防するインフルエンザ桿菌や肺炎球菌のワクチンや肝臓癌の予防であるB型肝炎など大事な役割を担っています。そして日本以外の国では以前から全ての子供達が受けるべきワクチンとして、その効果や安全性が検証されているものです。また、これらのワクチンは同時に打つことが可能で、必要な時期に必要な本数を打つために同時接種が推奨されています。
しかし、ワクチンとワクチンの間隔が種類によって異なったり、子どもが熱を出して接種時期がずれたり、小児科の予約が取れなかったり、親御さんの負担となっているのも事実です。
その様に大変なワクチンスケジューリングに関して便利なサイトして「Know VPD!VPDを知って、子どもを守ろう」があります。こちらは一般的かつ理想的なワクチンスケジュールがダウンロードでき、小児科医推奨の「予防接種スケジューラースマホアプリ」もありますのでぜひ見てみて下さい。当院でもこちらのワクチンスケジュールをプリントアウトし、初回の受診時に子どもさんごとに1歳までのスケジュールを作成しお渡ししています。
また、打つべきワクチンを打たずに大きくなってしまった子どもさんで後からどのワクチンを打ったらいいのかという相談もしばしばあります。その様な時は「日本小児科学会推奨の予防接種キャッチアップスケジュール」
を用います。こちらは医師向けで少し言葉遣いが難しいので、これを元にかかりつけの医師と相談してスケジュールを決めるのが良いと思います。
みなみうら生協診療所
http://www.kitatama.coop/clinic/minamiura/
「生協」とついていますが、生協の組合員でなくても誰でも利用できます。「健康について困ったことがある時、どこに受診すればいいか分からない時に取りあえず行けばなんとかしてくれる」そんな診療所を目指してスタッフ一同日々努力しています。
(金子 惇先生)
2016年7月号
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