第5回　6年かけた独立への決意

自分の「働き方」と「子育て」をしていきたいのか？　自問自答し続けて6年。ある時ふとある問いかけに対して、答えが決まっていることに気が付きました。

60歳になって定年になった時、私は今を振り返ってどう思うのだろう？（子供達は独立して、あまり家にいないだろう。介護生活が始まっているかもしれないな）

答えにぶれはありませんでした。

私は、おばあちゃんになってもやりがいを感じられる仕事をしていたい
そして、今しかない子供達との時間をもっと一緒に過ごしたい！

長い間、『今の自分』を考え続けて悩み続けてきたのに、将来の自分を考えてみたらこんなにも答えはすんなり出てくるものなんだ。すっと心が軽くなったのを覚えています。
自分の気持ちに気づくことができると、悩んでいたひとつ一つの項目はなんとかなりそうな気がしてくるもので、

収入がなくなる→今までの貯金があるではないか どこにも所属しなくなる→主婦で母 これで十分ではないか 独立して仕事はあるの？→うまくいかなかったらその時、パートでも考えよう

まぁなんとかなるさ

こんな自問自答を繰り返しながら、自分の気持ちを確かめつつ、家族・職場へと独立の意思を伝えていきました。　『こんないい職場に恵まれているのに、もったいないよ。後少し頑張れば子供の手もかからなくなるし、なんとか頑張る方法はないの？』と、はじめは反対していた周りの人も、何度か話をするうちに『気持ちが固まっているのなら応援するよ』とあたたかく見守ってくださいました。

この時、私はこれから先仕事をしていく上で、“人“を大切にしていきたいと心に誓いました。『あたたかいサポートしてくださる方々にいつか恩返しをしたい』それが今日まで、苦しい時も迷った時も私を支えてきた気持ちです。そしてこれからも変わらず、肝に銘じていきたいと経営理念にも掲げています。

さて、退職が決まり退路を断ったところで　さて私は何をしたらいいのだろう？　まだまだ事業内容も決まらないまま、一事業主としての小さな出発をいたしました。

経営理念

HerbNetは『一人ひとりが輝けるライフスタイル』を目指し、生活する人が、幸せだと思える社会の仕組みづくりに貢献いたします。 一人ひとりを大切に、思いやりをもって接します。

 

【執筆】ハーブネット代表 浅川絢子（あさかわ じゅんこ）
大手計測器メーカーのエンジニアとして12年間勤務。在職中に二人の男の子を出産し、子育てしながら７年間フルタイムで仕事をする。会社も仕事も好きであったが、自分の「理想の子育て環境の実現」を目指して起業することを決意。2007年HerbNet設立する。現在、「私らしく働く」をコンセプトに、自治体と協力しながら創業支援・ワークライフバランス推進活動に取り組んでいる。多摩地域を中心に、年間講演数は40件以上。

子育て起業生活記　発信中

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2016年8月号