公開日 2016/09/01
第6回 「『学童に通わせない』ビジネススタイルに挑戦」
事業の中核も決めきれぬままスタートしたHerbNetですが、ありがたいことに、4年半の間 お客様の方からお声かけをいただきながら、業務を広げてくることができました。
中には 自分のやりたくないと思う仕事もありましたし、身の丈を超えていると感じるものもありました。 反対にやりたい仕事でも、売上につながらないものもありました。
前職とまったくの異分野に飛び込んだ私にとっては全てが初めての挑戦です。最初のうちは「どの仕事を受けて、どの仕事を断るか」の判断基準もなく、誤った判断をすることもあったように思います。そんな中でも試行錯誤しながら、今は仕事の選択基準をこんな風に決めています。
→私は、この仕事を本当にやりたいか? →依頼主の方の期待以上のサービスを提供できるか? →事業として、後につながるものがあるか? →子育てとの両立は可能か? |
そして、受けた仕事はどんな仕事でも、自分の実力を出し切れるように心掛けてきました。
中でも“子育てとの両立”には、気を付けるようにしています。こどもたちは学童に通わせていません。極力子供たちが帰宅する時間には帰宅し、一緒に宿題をしたりおやつを食べられるようにしています。 土日・平日午後の仕事は月数回、夏休み・冬休み等の長期休業中は、家でできる仕事を中心にマネジメントしています。
写真:まちづくり三鷹主催 運営HerbNet 夢をかたちに女性のためのスタートアップスクール(第2期)
このようなビジネススタイルは決して楽ではありません。特に時間には制約が大きく、また体力勝負な部分もあります。 それでも、今しかない子どもの姿に時間を割いて向き合うことができ、またやりがいのある仕事に全力を尽くせることが、とても幸せだと感じています。
そして、私のような(あまり前例のない)ビジネススタイルに対して、沢山の方があたたかい目で見守り、応援し・助けてくださっていることに毎日感謝してもしきれない思いでいます。ちょっと古い表現ですが『企業戦士』のような激務をこなしていらっしゃる方からの支援など、最初は不思議にさえ思えていました。これだけのあたたかいビジネス環境が整っていた事は、この4年半の一番の発見といってもいいかもしれません。
「やりたい事には挑戦してみる」「制約があるなら、その範囲内でできる方法を見つける」もし、今何かやってみたいと思っている方がいらっしゃったら、できる範囲で、ひとつづつ経験と挑戦を重ねてほしいなと思います。 楽なことはひとつもありませんが、いつかそれ以上の“やりがい”と“楽しさ”が待っているのではないかと思います。
全6回にわたりお付き合いいただきまして、ありがとうございました。お読みいただいた皆様の心に何か一つでも残る事があればと思いながら、綴らせていただきました。 そして、いつかどこかでお会いできる日を楽しみにしております。
【執筆】ハーブネット代表 浅川絢子(あさかわ じゅんこ)
大手計測器メーカーのエンジニアとして12年間勤務。在職中に二人の男の子を出産し、子育てしながら7年間フルタイムで仕事をする。会社も仕事も好きであったが、自分の「理想の子育て環境の実現」を目指して起業することを決意。2007年HerbNet設立する。現在、「私らしく働く」をコンセプトに、自治体と協力しながら創業支援・ワークライフバランス推進活動に取り組んでいる。多摩地域を中心に、年間講演数は40件以上。
子育て起業生活記 発信中
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2016年9月号