第4回 「子どもが熱を出した!病院に連れて行った方がいい?」子どもの発熱

公開日 2016/10/01

ロゴ子どもすくすく元気コラム「子どもが熱を出した!病院に連れて行った方がいい?」子どもの発熱

 

みなみうら生協診療所の金子 惇(まこと)です。連雀通りの南浦の交差点近くにある「みなみうら生協診療所」というところで働いている医師で、高齢者の外来、訪問診療や小児の診療、予防接種を中心に活動させてもらっています。
自分は2年前に東京に来ましたが、それ以前は人口1300人の沖縄の離島・伊平屋島診療所で島内唯一の医師として3年間働いていました。 0歳の子どもさんから100歳を超える高齢者の方まで来る診療所で、「ハブに咬まれた」などの外傷から「学校に行こうとすると体調が悪くなる」といったこころの問題まで幅広く取り組ませてもらっていました。
三鷹の皆さんにも分かりやすい言葉で健康についてお伝えし、一緒に考えていけたらと思っています。


「子どもが熱を出した!病院に連れて行った方がいい?」子どもの発熱

第4回目は子どもの発熱についてです。
子どもは良く熱を出します。(うちの子どももすぐ熱を出したり、ぜーぜーしたりします。。。)保護者の方が心配になる気持ちも良く分かりますし、「学校を休むと仕事も休まないといけないので早く治してほしい!」「今週末は運動会なので何とかそれまでに…」ということもあると思います。

慌てて病院に行くと「大したことないからおうちで休んでいてください」と言われた経験もあるのではないでしょうか?
もちろん初めての熱で心配、以前痙攣したことがあるので心配、よそから来ている子を預かっているので何かあったら…など受診する理由は病気だけでなく+αがあることもあります。普段子どもを見ているみなさんから見て心配な点があれば受診してもらうのが一番ですが、何かおうちで判断する助けになることは無いでしょうか?

自分が小児科研修をした時最初に教わったのは、
「子どもは飲む、遊ぶ、寝るが出来ていれば大丈夫」
でした。水分が取れる、おしっこが出ている、遊んでいる、夜眠れる、熱が出て5日以内であればほとんど自然に治ります。熱さましや風邪薬は症状を一時的に軽くする効果はありますが病気を早く治す訳では無いので、薬を使わず様子を見るというのも立派な選択だと思います。逆に言えば、水分がとれず目も合わせないくらいぐったりしている、熱が5日以上というのはただの風邪でなく肺炎、中耳炎、尿路感染症、髄膜炎、川崎病などの可能性があるので受診が必要です。おたふくや水ぼうそう、結膜炎など元気でも学校を休まないといけない病気を疑う時も相談してもらった方がいいと思います。
子どもも大人も軽い病気なのか重大な病気の最初の症状なのかを見極めるのはなかなか難しいことです。医療機関に行けば全てが分かる訳では無く、時間の流れに沿って見ることが必要になることも多いです。もう一つ大切なのは子どもの体としっかり相談することです。風邪と言われて薬を飲んでいても、無理して学校や習い事を続ければ治りが遅くなることもあります。薬に頼るのではなく、しっかり生活を整えるお手伝いも出来ればと思っています。
 
三鷹市医師会館(http://www.mitaka.tokyo.med.or.jp/annai/holiday.html)では休日の小児科対応もしています。基本的には1日分の処方しかできないので、休み明けには近所の小児科に行くことをお勧めしています。出来る検査は限られていますが、「大きな病院にいきなり行くほどではなさそうだけど、明日まで様子を見ていいのか判断がつかない・・」という時などに利用してみて下さい。
 


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http://www.kitatama.coop/clinic/minamiura/
「生協」とついていますが、生協の組合員でなくても誰でも利用できます。「健康について困ったことがある時、どこに受診すればいいか分からない時に取りあえず行けばなんとかしてくれる」そんな診療所を目指してスタッフ一同日々努力しています。

写真金子先生(金子 惇先生)

 


 

1610写真

~島の診療所~もうすぐハロウィンですね。自分がいた頃は島の中に小さなバスが走っていて、バスで帰りたい患者さんが診療所にいる時は、事務員さんが写真の人形をポストにさしてバスの運転手に合図をしていました。


2016年10月号