「アンサンブルズ東京」へ行ってきました

公開日 2016/10/01

 

おでかけ 「アンサンブルズ東京」へ行ってきました

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東京駅で行われた「アンサンブルズ東京」へ行ってきました。

「アンサンブルズ東京」はアーティストと一般参加者による参加型の音楽フェスティバルです。以前朝ドラ「あまちゃん」で音楽を担当していた大友良英さんを芸術監督として開催されています。
東京駅丸の内側へ出て少し行ったところがイベント会場。会場中に色とりどりの大風呂敷が敷かれています。これは「プロジェクトFUKUSHIMA!」によるもので、もともとは東日本大震災が起こったあと福島でイベントを行う際、地面からの表面被ばくを防ぎ、セシウムが飛散しないように、会場の芝生に大風呂敷を広げたのがきっかけだそうです。それから全国でプロジェクトFUKUSHIMA!が参加するイベントでは大風呂敷を敷いているのだとか。

 

写真 振り返れば東京駅を真正面に見据えることができるこの場所に大風呂敷が敷かれるというのはなんとも不思議な光景でした。そして布が1枚敷かれているというだけで、なごみのスペースになっているような感じ。土足OKではあっても、ちょっと靴を脱いでピクニックのようにお弁当を広げている人たち、寝転んでいる人、裸足になって駆けまわっている子どもたち、それぞれ思い思いの恰好でくつろいでいるように見えました。

 

 

 

イベント当日は9月4日でしたが、それ以前にワークショップが開催されていて、ワークショップ参加者は当日のステージに立ってアーティストと一緒に演奏を披露します。今回は親子ワークショップもあり、親子でステージに立つほほえましい姿も見られました。
Eテレの子供番組などにも楽曲提供しているトクマルシューゴさんのステージでは、「音が出ることが奇跡だと思ってください!」といった前置きの上、ステージが始まりました。親子ワークショップは、子どもは楽器・大人は『非』楽器で音を鳴らし、みんなで演奏するというものだったそうです。ワークショップに参加した親子が1組ずつ前に出てきて「なんのおと!?」の掛け声のあとに音を鳴らす、という自己紹介から始まりました。ピアニカや笛や太鼓を鳴らす子ども、お鍋や自作の楽器(?)を鳴らす大人たち。ステージも観客も一緒になって「なんのおと!?」と声をあげて、それぞれの音を聴くというか見守るというか。あの楽器はなんだろうと考えたり、子どもがステージ上で予想外の音を出したりなど、目の離せないステージでした。

他に、小説家のいしいしんじさんとクラムボンの原田郁子さんのステージでは、事前の親子ワークショップで「東京駅」を主題とした曲を作り、ステージで発表するというもの。参加者それぞれの起点となる駅名、東京駅に向かう思いなどがつながって歌詞になっていました。ステージで言葉を紡いでいる人たちの背景や思いを垣間見ているような感じで、私自身もステージ上の人たちに思いを重ね合わせて自分を見ているような気になりました。


 

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一般の参加者だけではもちろんステージは完成しないし、単にプロのアーティストの演奏を観客が観る、というものとも違う。ステージに出る人たちと観に来ている人たちの間に垣根がないようなイベントでした。
帰り道、我が子に「ステージに立ってみたい?」と聞くと「うん!」と返事が。来年あたり、親子でステージに立っているかもしれません…!

参考:http://www.ensembles.tokyo/

2016年10月号

reported by ミドリコ