公開日 2017/03/01
ママとパパのリレーエッセイ 第169回 -福本さん-
はじめまして。
妻と中学2年の息子、小学校6年の娘と暮らす三鷹市在住の57才です。
今回ご縁がありましてリレーエッセイに参加させていただきました。
「内容はどんなものでも結構です~(笑顔)」と仰っていただき、私自身『子育て』に特別なこだわりがあるわけではなく気軽に引き受けましたが、いざ(他人様の眼に触れることを前提に)書き出そうと思うと中々進まないもので、無意識の内に自分自身に『イイ話し』を期待しているのでは…と可笑しくなってしまいました。
昔から血液型性格診断というのがありますが、その信憑性・科学的根拠はさておき、私自身はほぼ100%の確率で言い当てられてきました。几帳面で細かいところを突き詰めたがる一方で、自分が関心のないものは目の前にあっても網膜に映らないほど反応しません。妻によると特に始末に負えないのが「そうした自分の感性が世の中の常識であるかのごとく揺らがないところ」だそうです。二人でおしゃべりしている時にも「私の話にまったく共感してないでしょ」とズバリ見抜かれ、マイペースだ、いやマイワールドだ、マイ宇宙だと呆れられます。その妻が「父親に性格がそっくり」と断定しているのが今中学2年の長男です。来年には我が家で初めての受験生デヴューとなる彼は、血液型も私と同じです。昨年末に通知表のある科目で縦1本の象形文字のような評価をもらってきました。思わず「中学生でもコレもらうことがあるんだぁ」と呟く私に、「何に感心しているのだ、コイツは!」という妻の視線が刺さりました。しかし、そう言う妻にも立派な複製がいるのです。喜怒哀楽すべての感情があまりにもストレートに表情に出る小学校6年の娘です。妻は声が大きく、おおむね大きな態度で過ごしていますが、娘は態度だけでなく背も大きいのです。二人とも負けん気が強く、「売られた喧嘩は漏れなく買う」という強烈な座右の銘(あ、これは妻のです)を持っています。もちろん母娘の血液型は同じです。
だれがだれを育てて、どっちが育てられているのか、最早よくわかりませんが、そんな我が家には唯一の共通認識があります。それは「ピンチの時は一致協力!」です。それがどんなものであれ、家族のピンチは全員が協力して乗り切る。絶対に乗り切って見せる。いつの頃からかわかりませんが、それが合言葉のようになりました。
私は40代に入ってから親になりました。若いパパにはなれませんでしたが、楽しい時間を十分にもらっていると感じます。目の前にいる子どもは、(この年になっても)自分と向き合うことの大切さをいつも教えてくれる鏡のようです。「子育て」は大人を育てるための長い道のりなのかもしれません。
ところで、我が家の血液型はわかりました?
2017年3月号