第11回 誤飲について

公開日 2017/05/01

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みなみうら生協診療所の金子 惇(まこと)です。連雀通りの南浦の交差点近くにある「みなみうら生協診療所」というところで働いている医師で、高齢者の外来、訪問診療や小児の診療、予防接種を中心に活動させてもらっています。
自分は2年前に東京に来ましたが、それ以前は人口1300人の沖縄の離島・伊平屋島診療所で島内唯一の医師として3年間働いていました。 0歳の子どもさんから100歳を超える高齢者の方まで来る診療所で、「ハブに咬まれた」などの外傷から「学校に行こうとすると体調が悪くなる」といったこころの問題まで幅広く取り組ませてもらっていました。
三鷹の皆さんにも分かりやすい言葉で健康についてお伝えし、一緒に考えていけたらと思っています。


誤飲について

 

第11回目は誤飲についておはなしします。
ハイハイを始めたばかりの頃から2~3歳までは色々口に入れるので、つい飲んでしまうことも!
コイン、マチ針、プラスチックの小物、ピンなどがよく誤飲されます。
今回は誤ってものを飲み込んでしまった時の対処法です。

〇何を飲んだか分からない!
よく飲んでしまったもの毎に対応が書いてありますが、
・何を飲んだか分からない
あるいは
・飲んだか飲んでいないかも分からない
ということが結構あります。
原則としては
・無理矢理吐かせない
・基本的には数日で便と一緒に出ていく
特にコインなど鋭く尖っている部分が無いものは心配ありません。
気をつけないといけないのは
・胃まで落ちないで食道に留まっている時
・尖っていて食道や胃を傷つける可能性がある時
などです。
金属などレントゲンに写る物は病院でレントゲンを撮れば体の中のどの部分にあるのかおおよそ分かります。

〇電池、磁石は要注意
ボタン型アルカリ電池、リチウム電池などは放電して胃を傷つけることもあるので要注意です。磁石も胃を傷つける可能性があるのでその日のうちに病院に行きましょう。病院に行くと場所や電池の個数(複数あると電気が流れて胃を傷つけやすい)によって自然に出るまで待つか、早めに胃カメラなどで取るかを決めます。

〇タバコは子どもの手の届かないところへ!
タバコの誤飲も子どもで多いですが、最近は胃洗浄を行わないことが多いです。基本的には途中で吐いてしまうので、問題になる量までは飲めないことがほとんどです。飲んでから2~4時間問題なければ特に処置を必要としないことが多いですが、吐き気、顔面蒼白、興奮などはニコチン中毒の症状の場合もあるので受診が必要です。

〇子どもが飲み込みそうなものを置かない!
一番は予防が大事ですので子どもが飲み込みそうなものが手の届く範囲に無いか周囲の大人が気をつけて、不慮の事故を防ぎましょう!
 


写真

春になってお出かけの機会も増えますね。お出かけ先でも知らない間に落ちているものを飲み込まないよう気をつけましょう!
 


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「生協」とついていますが、生協の組合員でなくても誰でも利用できます。「健康について困ったことがある時、どこに受診すればいいか分からない時に取りあえず行けばなんとかしてくれる」そんな診療所を目指してスタッフ一同日々努力しています
 

写真金子先生(金子 惇先生)

 

2017年5月号