2017年6月号特集 忘れていませんか?ママと子どもの防災 「「みんなのブックカフェ」さんで行った防災イベントのレポート」

公開日 2017/05/30

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みんなのブックカフェ」さんで行った防災イベントのレポート

 

<小さなお子さんを持つパパとママのための防災の講習会>              

お話をしてくださった防災課の大倉課長は、防災課の在任が長く、阪神淡路大震災では東京都に派遣中に何度も現地に行かれ、東日本大震災でも現地に行かれています。沢山の痛ましい事例を踏まえて、具体的で実践的なお話をしてくださいました。

●避難所、避難場所の違い

避難所・・・自宅が地震の揺れにより全壊や火災などの被害に遭い、自宅では住めなくなった人たちが、避難生活をおくる場所
避難場所・・・自分の生命を守るために一時的に避難する場所 東日本大震災では、避難所に避難をしたため、津波で亡くなった人がかなりいた。

三鷹市では、学校の体育館や校舎が避難所、校庭が一時避難場所に指定されているが、海に近い地域で地震に遭った場合は、くれぐれも避難場所に避難するように。 紛らわしい言葉を使っていることは問題だが、全国統一の表記なので、理解してほしい。

隣接している市や区とは、お互いに受け入れられるように話し合っているので、一番近い避難場所に避難していい。落ち着いた時点で、避難生活が必要であれば三鷹市の避難所に移動。(他の自治体の避難所でも入所可能)

●寝ているときに地震 → 布団の中で “だんご虫” の姿勢

人間の身体は手足が伸びているときより、関節を曲げているほうがそれを伸ばす際に力が出せる。たとえ家具などの下敷きになっても、だんご虫のように、体を丸めているほうが自力で脱出の可能性がある。面積が小さくなるので、下敷きになるリスクも少なくなる。

●枕元にスニーカー

阪神淡路大震災のときには、明け方の暗い中、布団から出て裸足で歩いたため、室内に散乱したガラスの破片などで足を怪我した人が多かった。子どもの安全を守るためにも、親が怪我をしないように、布団のそばに古いスニーカーなどを用意しておくといい。

●災害時医療救護所  かかりつけの先生はどこにいくのか。

震度6弱以上の地震が来たときに、災害時医療救護体制が取られる。個人診療所はすべて閉められ、先生方は災害時医療救護所となる7ヶ所の小学校(防災マップで確認・・・大沢台小、高山小、井口小、五小、中原小、南浦小、三小)に参集し、チームで治療にあたる。かかりつけの先生がどこの災害時医療救護所に行くか、前もって調べておくといい。
※ 医療拠点となる市内6病院 三鷹病院、篠原病院 野村病院、井之頭病院、三鷹中央病院、長谷川病院
※ 杏林大学病院は東京都の災害拠点病院

●在宅避難

住居が住める状態で、かつ周囲に火災等の危険がなければ、そのまま家に留まることを勧める。避難所に近隣住民をすべて受け入れるだけのスペースはない。特に小さなお子さんがいると、避難所での生活は大変である。避難所に行かなくても、自宅で最低3日間は生活ができるように備蓄などの備えをしておくこと。また、支援体制が整い次第、物資の配給や炊出しが行なわれるが、自宅で生活を送る在宅避難者も、必要な支援を受けられる。

●食料は食品卸業者と連携をして調達

東日本大震災の際、行政がスーパーの品物をすべて買い上げてしまったために在宅避難の人が困ったという事例があった。食料は、スーパーではなく食品卸業者から調達する。

●災害のショックで母乳がとまることがあるので、ミルクも非常食として準備しておいた方がいい

●三鷹には、井戸水と東京都からの水を混ぜて溜めている浄水場が2ヶ所あり、給水の手配ができれば、飲料水は心配ない。 ただし、給水の手配ができるまでの3日分(1人1日3L)の備えは必要

家具の転倒防止の対策は絶対必要

阪神淡路大震災では、家具の下敷きになって、沢山の方が亡くなった。一番安全であるべき家で子どもを亡くしてしまった人たちの辛い思いを何度も聞いている。是非、家具の転倒防止の対策をとってほしい。

※ 参加したママの感想 
(了解を得てご紹介) 今回の防災講座に参加して一番大きかったのは、防災に対しての心構えがかわったことです。備えは必要なんだろうなとは思いつつも、どこまで用意しておけばいいのかよくわからずにいました。もしなにかあったら行政がなんとかしてくれるんじゃないか? と、のんきに構えていたのは私だけではないと思います。  
「備えをしなさい」ではなく「なぜ必要なのか?」を丁寧にお話してくださったので、すんなり聴けました。「どんな備えがどのくらい必要なのか?」もなるべく無理のない範囲でできるアイデアをふまえながらの説明がとてもわかりやすかったです。資料もとても参考になりました。
地震の際に子どもの身を守るためのポーズや、災害時の子連れでの移動の注意点などは、ママ達にとってはとても重要なポイントだったと思います。 阪神淡路大震災の時の運動靴の話などもとても参考になり、靴を買い替える時には捨てずに活用しようと思っています。                      

平成24年3月(1/13井口西地区公会堂・1/22大沢下原地区公会堂・2/19井の頭東部地区公会堂で開催)  

 


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2017年6月号特集