公開日 2017/08/01
ママとパパのリレーエッセイ 第174回 -サトミ☆さん-
皆さんこんにちは。
私は三鷹市で生まれ育ち、現在も三鷹の端ののどかな地で3人の子育てをしています。今回、リレーエッセイのお話をいただき、せんえつながら投稿させていただきました。
生まれも育ちも現在もと言いましたが、結婚し新居を探しているときも偶然この地の物件があり(しかも「このアパートに空きがあればいいのになぁ」といつも見ながら通っていたアパート!)、子どもが増え少し狭くなってきたなぁと思っていた頃、実家のすぐそばに一軒家を貸していただける話があり、なんともありがたく縁を感じるこの地に私は今も暮らしています。
私が産まれた43年の間にも、だいぶ様子は変わりました。道路がキレイになったり、空き地に家が建ったり、だいぶ様子は変わりました。が、今でも変わらない光景が身近にあります。それは、いつも笑顔で「行ってらっしゃーい!」と手をふってくれる母の姿です。
実家はちょっとした坂の上にあり、私が学生時代も社会人になっても、結婚し実家から帰るときも、いつも「行ってらっしゃーい!」「気を付けてね!」と坂の上から(もしくは当時うちにいた家族犬のお散歩がてら)見送ってくれました。実家のそばに住むことになってからは、私の子ども達が登校したり出かけるときも、もちろん同じように坂の上から笑顔で手をふってくれるのです。
そんな当たり前のような光景が、母が一時、入院をして1ヶ月以上見られない日々がありました。朝、子どもと家を出るときも「行ってきます」といいながら、つい坂の上を見てしまいます…。
学生時代、反抗期でどなるように家を出る私にも、学校に行きたい気持ちと行きたくない気持ちと葛藤しながらうずくまり意を決して半べそかきながら家を出る私にも、母はいつも笑顔で送り出してくれました。
……私は、どうだろう……。
「早くしなさい!」「何時だと思ってるの!」「急ぎなさい!!」
眉間にシワを寄せて子ども達をおいたてる日々がほとんどで、笑顔で見送れる日なんてどれだけあっただろう……。
「挨拶と返事はしっかりする。」それは私が子ども達に幼い頃からずっと言い続けてきたことです。しかし、朝のスタートを送り出す挨拶を、私はどれだけ気持ち良く笑顔で言えてただろう……。母のように……、と思うと、なんだか涙があふれてしまいました。
今、私はどんなに忙しくても、自分や時間に余裕がなくても、子ども達が登校するとき、出掛けるときは(よっぽど外に出られない時以外は)坂の途中の我が家の玄関から出て「行ってらっしゃい!」と見送っています。「笑顔で」は、なんだかまだちょっと照れくさいのですが。そしてさらに、坂の上からは「行ってらっしゃーい!」と、母が笑顔で手をふってくれています。
「子ども達にとってお母さんは太陽」
大変なことも迷うこともたくさんあるけど、それ以上に幸せなことや嬉しいことがたくさんあるのが子育て。やっぱり笑顔で元気に過ごせるように毎日を楽しもう!と、母の笑顔を思いながら今日も過ごしています。
(すっかり私自身の話になってしまったので、子育ての話はまた機会がありましたらつぶやきます…(^o^;))
2017年8月号