公開日 2017/10/02
ママとパパのリレーエッセイ 第176回 -三鷹市西多世代交流センター(にしじどうかん)丸山さん-
こんにちは。三鷹市西多世代交流センター(にしじどうかん)の丸山です。
子育てコンビニさんにはいつもセンターの情報を発信していただくなど、大変お世話になっています。今回、縁あって「パパとママのリレーエッセイ」のバトンを受けることになりました。どうぞよろしくお願いします!
いきなりですが、三鷹市に「多世代交流センター」ができたのはご存じでしょうか?
実は今年の4月に東・西にある児童館は、それぞれ社会教育会館の地区館と統合し、子ども政策部の施設として新たに「東・西多世代交流センター」としてスタートしました。
「いったい何をする施設なんですか?」というご質問をいただくことがあるので、この場をお借りしてあらためて説明させていただきます。
もともと児童館・社会教育会館は赤ちゃんからご高齢の方まで、地域のいろいろな人が日頃から遊びや学びの場として利用する中で、自然な形で交流がありました。その「交流」を大切にしながら、これまでの児童館機能と社会教育を含む生涯学習への支援機能を継続、充実させ、新たに若者支援と多世代交流の機能を加えて、世代を超えた知り合いが多くいる「安心感のある地域」にしていくことが新たな施設の目指すところです。
子育て世代の皆さんも親子で過ごせる居場所として、今までどおりどうぞ気軽に遊びに来てください。
さて、今回、せっかくリレーエッセイに参加させていただいたので、昨今の子育てについて少し書かせていただきます。
もともと人の子育ては母親だけで行うものではなく、家族・親族・地域など身近な共同体の中でいろいろな人が子どもの成長にかかわりながら育て合ってきました。今の核家族での子育ては、親や地域の知り合いなどの支援が受けづらく、その結果母親に過度な負担がかかってしまっています。それを補うために様々な子育て支援制度が用意されています。しかし、このような子育て支援としての制度だけでなく、「信頼関係」による支援が現代でも可能で、しかも、たくさんのメリットがあることを私は児童館・社会教育会館での約20年に及ぶ経験で学ぶことができました。例えば幼児と赤ちゃんで来館した親子連れがいた場合、どちらかの子どもの相手をしてあげるとか、親が用事を済ます間だけ子どもを見ていてあげるなど、ちょっとしたことですが子育て奮闘中のお母さんにとってはありがたい支援になります。これを他の子のお母さんや時には中高生が自然にしている光景が児童館では日常的に見られます。また、多世代交流センターでは保育付の講座を実施しており、講座を受けている約2時間、地域の子育て経験のある方達が保育者として受講生のお子さんを預かっています。保育者として支援をした人が受けるのは「感謝の言葉」です。支える方も支えられる方もハッピーな気持ちになります。そして、支援を受けた人はそのうち立場を替えて支援する側になっていきます。「恩返し」というと古い言葉のように感じますが、現代でも年齢問わず、人の心の中にはしっかりと息づいている気持ちなのだと、ここにいると感じます。
このように、信頼関係による子育て支援にはたくさんのメリットがあります。信頼関係に基づく地域ぐるみの子育てが難しい今の世の中ですが、あえて「人のつながり」を作っていくことに多世代交流センターで取り組んでいこうと思っています。そして、ハッピーな気持ちで子育てができる人が増えることを願っています。
「故(ふる)きをたずね新しきを知る」
ひょっとすると子育て支援のこれからの方向性になるのかもしれませんね。
2017年10月号