公開日 2018/02/01
しらみについて
みなみうら生協診療所の金子 惇(まこと)です。連雀通りの南浦の交差点近くにある「みなみうら生協診療所」というところで働いている医師で、高齢者の外来、訪問診療や小児の診療、予防接種を中心に活動させてもらっています。
自分は3年前に東京に来ましたが、それ以前は人口1300人の沖縄の離島・伊平屋島診療所で島内唯一の医師として3年間働いていました。 0歳の子どもさんから100歳を超える高齢者の方まで来る診療所で、「ハブに咬まれた」などの外傷から「学校に行こうとすると体調が悪くなる」といったこころの問題まで幅広く取り組ませてもらっていました。
三鷹の皆さんにも分かりやすい言葉で健康についてお伝えし、一緒に考えていけたらと思っています。8歳と6歳の子どもがいるパパです!
先日、うちの子どものお友達が「しらみ」と言われたとのこと。よく見るとうちの子どもの髪にも白いものが・・・
離島にいる時はしらみの患者さんは結構いましたが、東京でも比較的よくある病気だということに最近気づきました。
■しらみのうつりかた
お子さんが学校の水泳の授業や水泳教室で他のお友達から貰って来ることがあります。おうちでは枕やタオルの共有で他の家族にうつります。
■しらみの見分け方
しらみの卵は白く、フケくらいの大きさです。フケは指でこすると取れますが、卵は髪の毛にくっついて取れないので見分けることが出来ます。卵からかえった状態だと虫が飛んでいるのが見えることもあります。よく分からない時は皮膚科か小児科に行って相談しましょう。
■しらみの症状
卵だけのときは特別な症状はありません。虫になっていると、頭が吸血されて痒くなります。
■しらみの治療
しらみ駆除のためのシャンプーが薬局に売っています。(処方ではないのでドラッグストアや薬局で買うことが出来ます。)スミスリンシャンプーという商品名です。
詳細はシャンプーの説明書にも書いてありますが、通常のシャンプーの様にお風呂の時に髪全体になじませ、5分ほどおきます。その後きれいに洗い流します。これを3日に1回、3~4回繰り返します。シャンプーを買うと専用の目の細かいくしがついており、これで髪をすいてくっついている卵を取ります。
同居家族みんなで同じ治療が必要です。
■家庭で気をつけること
・枕カバー、シーツ、帽子などは60℃のお湯に約10分間つけるか、衣類乾燥機を使って、殺虫・殺卵しましょう
・くし、ヘアブラシなどを共有しない様にしましょう
・「不潔にしているからしらみになる」訳ではありません!
診療所ホームページ http://minamiura-coop-clinic.jp/
~島の砂浜~
島では薬局が無く、しらみの患者さんに「シャンプーを買って使ってください」と言っても、なかなか買いに行けないことがよくありました。プールの季節、しらみのせいで一人だけプールに入れないと寂しいものです。気づいたときに治療をしてあげて下さい。
★編集部より
コラム読者の皆様から、金子先生にお聞きになりたいことを募集します。編集部までお寄せください。
Eメール: kosodatenet@mitaka.ne.jp
2018年2月号