公開日 2018/03/20
教育費をどう準備する?その方法(その他編)
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。
教育費をどう準備するかについて先月まで貯蓄と保険についてご紹介しました。近年はゼロ金利時代とよばれるほどに銀行預金の金利が低く、また保険の予定利率が低下したため学資保険の返戻率も大幅に下がってしまいました。
そのような事情もあって、これまで取り上げた以外の方法で教育費の準備をする方も出てきています。その方法について考えてみたいと思います。
改めて、教育費準備の3つのポイントを確認しましょう。
■教育費準備の3つのポイント
教育費を準備する上でのポイントが3つあります。
(1) 毎月積立が出来ること
(2) 生活費と分けて管理が出来ること
(3) いざという時、引き出し時期を変更できること
■ネット定期を活用する
一般財形貯蓄や自動積立定期預金は手間がかからず貯められるのが良い点ですが、預金金利が低いためにほとんど元本が増えることはありません。元本割れはしない状態で少しでも高い金利を得ようとする方法がネット定期の活用です。
インターネット銀行の定期預金ですが、一般的な都市銀行よりも金利が高いケースが多いです。金利が高めのインターネット銀行で自動積立定期預金を設定すると少しメリットがあります。ただし、給与振込口座が異なる場合は自分でお金を移動させる必要があります。
また、ボーナス時期には金利アップのキャンペーンを実施する場合が多いです。手間を惜しまなければ、積立である程度まとまったお金を高い金利の定期預金にすることも出来ます。興味がある方は調べて見るとよいでしょう。
■投資をする
近年経済が好調で株価も上昇してきたことや、2018年より「つみたてNISA」の制度が始まったことから、教育資金も投資で準備しよう考える方も増えています。活用する制度としては大きく2つあります。
1つめは「ジュニアNISA」です。子どもの名義で口座を開設し、運用の管理は親などが代理で行います。投資で得られる配当金や譲渡益が非課税になるのがメリットです。非課税で投資出来るのは毎年80万円で最大5年間、つまり400万円までです。投資可能な期間が現在2023年までとなっていますので、今ある資金が対象になる一方で長期の積立には向いていません。また、原則18歳までは引き出しが出来ませんので、教育費準備として考える場合はこの点もデメリットになります。
2つめは「つみたてNISA」です。投資で得られる配当金や譲渡益が非課税になるメリットは同じですが、非課税で投資出来る金額が毎年40万円で最大20年間である点が大きく異なります。対象が20歳以上ですので、親が自分の名義で行います。
■投資する場合の注意点
株式や投資信託などの投資商品は価格の変動があるため元本割れになる可能性があります。長期に分散して投資をすることで価格の変動を小さくすることは出来ますが、それでも10年以上の余裕がある場合に限ったほうがよいでしょう。
また、ITバブル崩壊やリーマン・ショックなどの状況になれば、一気に資産が半分程度まで減る可能性もあります。教育資金は必要時期が決まっているため、価格が回復するのを待つという手段は取れません。その場合は元本割れで売却することになるかもしれません。
基本は預金など元本保障の商品として、投資は上乗せ分にとどめておく方が良いかもしれませんね。ぜひ参考にして下さい。それではまた。
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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和
充実した人生を生きるには個人個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得し、事務所を開業。親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザー協議会認定会員。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員
ホームページ http://mitaka-fp.jp/
2018年3月号