公開日 2018/04/10
今月のおすすめ絵本・4月~その1
桜がサッサと咲いて散ってしまい、なんだかいつもの年と少し季節感が違う今年の春。
入園入学したお子様がいらっしゃるご家庭のみなさん、おめでとうございます。
子ども達にとって、周りの世界が一気にひろがる春、でもご家庭ではいつもと同じように安心してゆっくりと過ごさせてあげたいですね。
そんなときのお供にこんな絵本をどうぞ。
「ちいさなねこ」 文:石井桃子 絵:横内襄 福音館書店 ★2歳~ |
子猫はお母さん猫が見ていない間に独りで出かけてしまう。
外へと走り出して、あぶない!車に轢かれた!? いえいえ大丈夫。
あ、また走り出す。
こんどは大きな犬に追いかけられる!
絵本を聞いている子ども達は、まるで自分のことのようにハラハラドキドキ。息をのんで子猫を見守ります。
だめだよ飛び出しちゃ!そんなことを言う子どもも。
子猫の声を聞きつけて迎えに来たお母さん猫は大きな犬を撃退し、子猫を連れて帰ります。
そして安心しておっぱいをくわえる子猫。
絵本の前の子ども達も安心した顔を見せます。
母はたくましく素敵。猫も人間も同じですね。
無駄を省いているのに遠近をしっかりと感じられる力強い絵と石井桃子の選び抜かれた単純な言葉に、とても惹きつけられます。
1963年初版と少し昔の絵本ですが、かえって少しクラシックに感じられる水色の表紙が印象的。
ひとりで冒険を始める小さな子どもたちにぴったりの絵本です。
おうちだったら2歳くらいのお子さんから、集団読みきかせなら小学低学年まで使えますよ。
2018年4月号