教えて!伊達さん~お金にまつわるお話~ 第20回

公開日 2018/04/20

ロゴお金の話

教育費をどう準備する?その方法(奨学金編)

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。

教育費をどう準備するかについて貯蓄や保険などの方法をご紹介しました。貯蓄や保険、投資による方法は、いずれも子どもが小さいときから時間をかけて準備する方法です。子どもが既に中学生や高校生になっており、大学受験までの時間があまりない家庭の場合はどうすればよいのでしょうか?今回は奨学金についてご紹介します。

■奨学金とは

奨学金とは「経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資の貸与を行い、また、経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、「貸与」または「給付」する制度です」(日本学生支援機構ホームページより)

奨学金という言葉を聞くと「もらえるお金」という印象を受けますが、日本における奨学金の大部分は「返済が必要な借りるお金」です。「借金(ローン)」といっても良いと思います。また、奨学金を受ける人は学生本人であるため、当然、学校を卒業して返済(奨学金では「返還」といいます)する時期になると本人宛に通知が届くことになります。

■どれぐらいの人が奨学金を利用しているの

日本学生支援機構が公表した「平成28年度学生生活調査」によりますと、大学(昼間部)の学生の48.9%、短期大学(昼間部)の学生の52.2%が何らかの奨学金を利用しています。大学の学生の約半分もの割合となります。

さらに、世帯収入との関係についても調査結果があります。私立大学の通う学生を対象にしますと、世帯年収450万円未満の家庭の学生の61.5%、450~650万円の55.1%と5割を超えています。大学等への進学率が高くなると同時に授業料も上がってきていることも理由として考えられます。

一方で、世帯年収650~850万円の家庭の学生の46.9%、850~1050万円の35.6%と、収入が多めの家庭の学生でも奨学金の利用率は3割を超えているという現実があるのです。

■日本学生支援機構の奨学金

奨学金で多く利用されているのが日本学生支援機構の奨学金です。近年返済不要の「給付型」が始まりましたが、多くは返済が必要な「貸与型」と言われる奨学金です。

・第一種 特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な人に貸与される奨学金で、無利息です。学力基準として高校での成績が3.5以上であることと、そのほか家庭の収入についての基準があります。

・第二種 第一種奨学金よりゆるやかな基準によって選考された人に貸与される奨学金で、利息がつくタイプです。

■奨学金を申し込む前に

貸与型の奨学金は大学等を卒業して、社会人になってから返済が必要な「借金」であるとお伝えしました。その返済は奨学金を受けた本人がする必要があります。しかも、奨学金の返済は10年以上も続く場合があるのです。ぜひ奨学金を申し込む前に制度を理解して、お子様とも話をしていただきたいと思います。

ぜひ参考にして下さい。それではまた。

出典:独立行政法人 日本学生支援機構 ホームページ
  「平成28年度学生生活調査」(日本学生支援機構)

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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和

充実した人生を生きるには個人個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得し、事務所を開業。親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザー協議会認定会員。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員

ホームページ http://mitaka-fp.jp/


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