公開日 2018/05/20
教育費をどう準備する?その方法(奨学金活用編)
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。
教育費をどう準備するかについて貯蓄や保険などの方法、そして前回は奨学金の概要についてご紹介しました。今回はその奨学金についてもう少し詳しく紹介したいと思います。
■奨学金の返済は長期間
貸与型奨学金の場合、大学等を卒業すると返済が始まります。大学の学費の一部として4年間借りた場合でも、返済期間は意外と長く設定されています。なかなか奨学金の返済が終わらなくて・・・とおっしゃる方が多いのも事実です。例を取り上げてみたいと思います。
・第一種奨学金(利息なし)の場合
月額3万円を4年間(48か月)借りた場合、貸与総額は144万円です。この場合は9,230円を156回に分けて返済します。返還期間は13年間です。
私立自宅通学の学生が月額54,000円を4年間(48か月)借りた場合、貸与総額は259万2千円です。この場合は14,400円を180回に分けて返済します。返還期間は15年間です。22歳で大学を卒業し奨学金の返済を開始したとしても、その返済が終了するのは37歳。かなりの長期間です。
・第二種奨学金(利息あり)の場合
上記と同様に月額3万円を4年間借りた場合、固定利率1%の場合では、9,892円を156回に分けて返済します。
また、月額5万円を4年間(48か月)借りた場合、貸与総額は240万円です。この場合は、14,428円を180回に分けて返済します(固定利率1%の場合)。月8万円以上借りる場合は240回に分けて返済することになり、返還期間は20年にもなります。
■貯蓄・保険との合わせ技
金利の低い奨学金とはいえ、返済額や返済期間の長さを考えると金額は抑えたいものです。これまでにご紹介した貯蓄や保険との合わせ技について考えてみましょう。
大学4年間の学費の合計は平均446万円。学資保険などで200万円を確保している場合、不足する金額は246万円です。このままでは月約5万円が必要になる上に、学費以外の通学定期代や生活費の一部も必要になります。
そこで月3万円の奨学金を借りることにします。貸与総額は144万円、残り102万円を負担すればよいことになります。子どもが月3万円、親が月約2万円です。子どもが将来奨学金を返済する必要がありますが、なんとかバランスを取れそうです。
学資保険等に加入している方は比較的多いですが、金額では200万円程度、大学の学費の半分程度の場合が多いです。何もしないと学費の半分が準備できないまま大学時期を迎えることになってしまいます。そういった場合にも奨学金の利用は有効な方法です。
ぜひ参考にして下さい。それではまた。
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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和
充実した人生を生きるには個人個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得し、事務所を開業。親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザー協議会認定会員。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員
ホームページ http://mitaka-fp.jp/
2018年5月号