公開日 2018/06/01
ママとパパのリレーエッセイ 第184回 -屋久綾乃さん
私は2005年に兵庫県西宮市から三鷹市に引っ越してきました。
息子が1歳半の時です。当時の自分を振り返ると、『すくすくひろば』や三鷹市主催の保育付き講座、イベントなどに積極的に参加して、友達を作ろうと一生懸命でした。とても楽しい場だったので友人が沢山出来て充実していました。でも、親子共々に心が通う友達には巡り会えませんでした。
「まあ、いっか。幼稚園に入ったら必然的に心の友は出来るよね。」と諦めかけていたころ、ある英語教室への入会をきっかけに、私たち親子の世界が広がり始めました。息子はこの教室で竹馬の友と呼べる程の仲間が出来ました。私にも子育てを共に語り、歩める大切なママ友が出来ました。
ここで知り合った方からお声がかかって、私の仕事(ピアノ・声楽教室、子供図画工作教室)も東京で再開出来ることになりました。
この英語教室に通うことが、子育てについての考え方も含め、当時の私たち親子の様々なことを支えてくれていた様に思います。
これまで、理想的な子育て環境を作ろうと模索し、実行し、自分の仕事と両立させながら、実に一生懸命子育てをしてきたと自負しています。
しかし、後悔でいっぱいでもあるのです。外に目を向けてそこまで必死にならなくても良かった、親子の時間を堪能すれば良かった、と今は思っています。
1歳、2歳、3歳...就園前から幼稚園時代のゆったりとした時間をもっと子供と向き合って遊べばよかった。読み聞かせも、お膝に乗せてもっともっと読んでやればよかった。一緒にお料理したり(汚すことに目くじらを立てないで)絵を描いたり(上手に完成させることを求めないで)土いじりをしたり(洋服を汚してもいいよね)そういうことをもっと沢山すればよかった。
思っていたほどに出来なかったんだよね。私、後悔しています。
今、息子は中学3年生。生意気ざかり。頬にチュウなんて、絶対させてくれません(苦笑)。こんな風に子供はどんどん親から自立していくみたい。
というわけで、先輩ママとして物言いをするのなら、我が子が幼児期の大切な時間は、「子供が早く大きくなってくれたら、もう少し私の時間がとれるのに」なんて思わないで「今」を大切に過ごしてね。子供がこんなに可愛い時代は、二度とないですよ。それから、自然体で過ごしていれば、ママ友はきっと自然に出来ますよ。
ってことかな。焦るな、焦るな。成せば成る、何事も。
私は今、静岡県に居ます。2016年10月に三鷹から引越しをして、富士宮市に移住しました。
壮大な富士山のお膝元、良い空気と素晴らしい景色に囲まれて【芸術空間あおき】という名のギャラリーを経営しています。音楽教室と図画工作教室も行っています。多忙な毎日ですが、もう二度と後悔しないように、過干渉にならない程度に、息子との時間を大切に過ごすように心がけています。
あ、さすがにお膝で読み聞かせはしていませんよ(笑)。
月に一度、お互いの休みを合わせて、静岡の名所巡り、もしくは美術館巡りをしようね、と約束しています。今のところ嫌がられず続いています。
この調子で息子とのデート、まだまだするよ!!
屋久 綾乃(やひさ あやの)
2018年6月号