nanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・season2 第2回

公開日 2018/08/10

コラムnanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・ season2

第2回 家族と過ごす時間を大切に


■親世代と子ども世代のギャップ
今年は、これまでに経験したことのない暑い夏、豪雨と災害が多発する厳しい夏となりました。
みなさまはどんな夏休みをお過ごしでしょうか?

夏休みは、普段離れて暮らしている家族と一緒に出掛けたり、食事をしたりという時間がたくさんあるのではないでしょうか?
わたしは、二人の子どもたちが、昨年結婚し家庭を持ち、さらに息子の家に子どもが生まれました。
これから少しずつ孫が増えていくと、家族の幅が広がり、自分の世界も広がっていくような気がして楽しみです。
とはいえ、親世代と子どもの世代の育児のギャップ、考え方のギャップが気になるところです。

■親子の気持ちのすれ違い
昨年から、NPO法人子育てコンビニは、ホームスタート・みたかの活動を始めました。
そんなわけで、わたしも小さなお子さんのいるご家庭を多数訪問し、お母さん方のお話を聴くことが多くなりました。

訪問先のお母さん方は、子育ての漠然とした不安、おっぱいのこと、夜泣きのこと、家事がはかどらない、孤立感が深まる、そして産後の体調不良などで元気をなくしています。
しかし、初めての訪問で話されることは、夫が子育てに無関心、仕事で家にいなくて手伝ってもらえない、話を聴いてもらえないなどの他、実母との確執、義母との関係、さらには実父、義父との関係つまり家族間の人間関係についての悩みが多いです。

アポなしで孫の顔を見に来る夫の両親にうんざりしているとか、せっかく電話を掛けたのに、実母に自分の子育てについて批判めいたことを言われ落ち込んでしまったとか。
産後実家に帰ったけれど、上の子を実の両親が甘やかしすぎるとか、実母とすぐにけんかになるから早々に実家を引き上げたという方も少なくありません。
いずれにしても、善意での行動や、言葉のはずなのに、どうも気持ちがすれ違ってしまうのが、親子や家族の関係だと、お話を伺いながら改めて感じます。

■やさしい言葉を期待しているのに
離乳食の開始時期が、わたしが子育てしていた時代と現代で大きく違っていて、まずはそのあたりから育児ギャップが生まれています。
気を付けていないと、また気を付けていたつもりでも気づかないうちに、つい口にした言葉や良かれと思ってした行動が、人を傷つけてしまいます。

なかなか体重が増えないと悩んでいる娘に、実家のお母さんが、「おっぱいやミルクだけで離乳食を食べさせていないから、体重が増えないのよ!」などと軽く言ってしまう。もちろん孫の成長を心配してのことなのですが・・・
「今は離乳食を始める時期が遅いのよ。」と説明しても、「自分はそうやってあなたを育てたんだから。」などと言われてしまうと、それで話は終わり!
自分が目を離したすきに果汁を与えていそうだと心配していたりします。

実家のお母さんに、「よく頑張ってるね。大変だね。」「みんなそうやって育ててきたのだから、今のままで大丈夫よ!」などのやさしい言葉を期待していた娘の方は、モヤモヤが増幅され、もう二度と電話なんかしない!と思ってしまいます。
義母に同じことを言われると、ストレートに言い返すこともできず、モヤモヤはさらに倍増します。

■相手の立場を考える
折角の親子の会話がイライラ、モヤモヤにつながらないようにするには、祖父母世代が、自分が子育てしていたころを思い出し、自分が子どもの立場だったらどんな気持ちになるだろうと想像力を働かせてみることも大事かと思います。
子育て世代は、とにかく睡眠は足りない、身体は疲れているで、心の余裕がありません。
そうは言っても、子どもの世代も祖父母世代の言葉や行動の奥に悪気はないということを忘れないでほしいものです。

また、自分が子育て中にされて嫌だったことは、しないということを肝に銘じているとこういったトラブルを少しでも防ぐことができると思っています。
私が子育てをしていた頃、夫の両親が良く子どもたちと遊んでくれ、それはありがたかったのですが、アポなし訪問もあり、それがとても嫌だったという記憶が今も残っています。だから、わたしはそれだけはしないように心がけています。
孫との付き合いもまだこれからですが、余計な口出しや、甘やかしはしないように気を付けないといけないと頭ではわかってはいますが、さてどうなることやら・・・

■家族とのひと時を素晴らしい思い出に
娘や息子のつれあいを、最近では、婿や嫁と言わず義娘、義息子というそうですが、家族に加わった義理の親子関係について、新聞、雑誌などで取り上げられることが多くなりました。共働きが増えて、親世代の支援が期待されているからでしょうか?

お互いの生活を守って、頼ったり頼られたりしすぎないようにというのが、関係を良好にするためのポイントの様です。
いずれにしても、思いやりの心、感謝の気持ちを忘れないこと、そして家族の時間を楽しむことが大切だと思います。
ファミリーでの大人数のお出かけや、食事をする楽しさは、格別です。

最近、家族をテーマにした映画が次々に公開されています。
その中から、「万引き家族」「未来のミライ」を観ました。
どちらも家族について、子育てについて深く考えさせる良い作品でした。

夏休み後半故郷に帰省する方も多いかと思います。
ご自分の家族とのひと時が素晴らしい思い出になりますように!
今のこの時は、もう二度と戻ってこないのですから。

 


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nana

2018年8月号