公開日 2018/08/20
今月のおすすめ絵本・8月
今年の夏は全国的になんだか大荒れ。暑いすぎますね。
でももう一息で秋!
「いわしくん」 作:菅原たくや 文化出版局 ★3歳~ |
表紙はなんとも愛嬌のあるおさかな。いわしくんです。
「ぼくはいわし。日本の海でうまれた。」
「ぼくはおよいだ。」
「ぼくはつかまった。」
「船にのせられ港にはこばれた。」
「パックにつめられ、ならべられ、うられた。」
「かわれて、やかれて、たべられた」
「ぼくの肉は、人の体の一部になった。」
「そしてぼくは学校へいった」
「その日はプールだった。」
「ぼくはおよいだ。」
「ぼくはおよいだ。」
これだけです。
一匹のいわしの一生?が淡々と描かれています。
男の子に食べられても、人の体の一部となるいわし。
最後のほうの「ぼくはおよいだ。」これには人の男の子のイラスト。
次のページの「ぼくはおよいだ。」これに添えられたイラストは、いわしくんの顔。
とても満足げな表情です。
受取るモノは、それぞれと思います。かける言葉は要らないと思います。
心で感じて欲しいと思いました。
イラストは大胆な構図に太いアウトライン、字も大き目なので、遠目も効いてなおかつ自分も読みやすいので、読み聞かせには充分使えます。読む時間実に1分程度。
小賢しいことを言えば、食育に使える、となりますが、そういう事ではないような重みのある絵本だと思います。
そういう意味では、小さい子から読んであげられますが、実は中学生ぐらいに薦めたい。
2018年8月号