nanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・season2 第3回

公開日 2018/10/10

コラムnanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・ season2

第3回 食べることを楽しく!~食についての勉強会に行ってきました。~

■食を通して
秋も深まり、あの夏の暑さはどこへやらという秋雨と台風の季節となりました。
ひと月ほど前に、「乳幼児期の食育について~食を通して育つもの、育てたいもの~」と題する、研修会に参加しました。
一般向けではなく、子育てひろばなどの職員対象の勉強会でしたので、内容もかなり濃いものでした。
講師は、相模女子大学栄養科学部健康栄養学科教授の堤ちはる先生で、沢山のご著書の中には、先生監修の子どものための絵本「たべるってたのしい!シリーズ」もありました。

先生はとてもおはなしが上手で、現代の子どもたちの”食”について、かなり危機感を持っておられ、その話しぶりから何とかしないといけないという熱い思いが伝わってきました。
長時間でしかもかなり広範囲の内容でしたので、お話を聴いた中で、わたしの中に残ったことなどをいくつか拾ってみたいと思います。

■食事の時間は、虐待につながりやすい
堤先生は、都内のさまざまな保育園や広場で、保護者の方々の、食事の悩みをきき、支援を続けて来られました。
まず、「食事の時間は虐待につながりやすい」という言葉が気になりました。
食欲は、本能だし、美味しいものを食べているときが、一番幸せという人も多いと思います。
しかし、乳幼児期はそんなことは言ってられません。
好き嫌いがあったり、親が準備したものを食べないなどで、罰をあたえたり、無理強いしたりということが起こりやすくなります。
離乳食から、大人と同じものを食べるようになるまでの親の苦労、まじめであればあるほど並大抵ではありません。

真面目にキチンとやる方には、ある程度の手抜きはOKと言えても、菓子パンだけの朝ご飯が毎日というご家庭には少し工夫をしてほしいというのが本音のところ。
とにかく、その親の出来そうなところから指導するというスタンスで、朝ご飯を食べていなければ、「コンビニのおにぎりでもいいよ。」と言って食べる習慣をつけてもらい、手軽にカルシウムが取れるチーズをおやつに与えるように指導するのなど、相手に合わせた工夫の仕方を提案することを勧めておられました。

■子育て支援で手っ取り早く効果的なのが、”食”の悩み相談
「食時の時間は虐待につながりやすい」とはいうものの、子育て支援で、手っ取り早く効果的なのが、食の悩み相談だともおっしゃっていました。
お腹をすかせれば、人間は食べるから、早起き、朝ご飯、早寝というサイクルをまず作ることが大事とは、わかっていてもなかなか実践が難しいところです。
でも、食べるからと言って、子どもの好きなものばかりを食べさせず、食事の時間をきちんと決めて生活サイクルを作ってみると、いままで食べなかったものも食べるようになるかもしれません。
食べることは、生きること、食生活は人生の基本です。
諦めずに、食生活から生活サイクルを組み立てなおしてはいかがでしょうか?

■手づかみで食べること
小さな子どもは、手づかみすることで、食べさせてもらう受け身の食から、自分の意志で食べるという、能動に入ったということだから、
上手に食べられるようになるまで、大変かもしれないけど、しっかり子どもと付き合う必要があるという話も出ていました。
食べ散らかすとか、汚すとか、先回りして予防してしまう親たち、一口で噛み切れる量を子どもが自分で知ることも、発達の段階だと思ってゆっくり見守って食事の時間を過ごしたいですね。
食に対する意欲があれば、生きる力につながると、わたしも思います。

■食についての関心を高める
メロンパン一個のカロリーは、コンビニのお弁当1食とほぼ同じだそうです。
高カロリーの菓子パンなどと比較してコンビニなどで販売しているもので栄養のバランスのいいものを紹介されていました。
カロリーは足りていて、一日過ごせても、偏った食生活を続けているとさまざまな病気にかかりやすくなることなども伝えていかなければなりません。
また子どもの貧困の問題が社会課題になっています。
所得のよって、食品群別摂取量、(つまり所得が低いと穀類の摂取量が多い)が違ってくるというデータも紹介され、家庭での食についての関心をもっと高めていかなければと改めて感じました。

■食べることが好きな子どもに
昔と違って親が忙しく、食べること以外の楽しみがたくさんあり、食が二の次三の次になっているのではと、堤先生は憂慮されていました。
わたしは、自分自身が食べることが大好きなので、子どもを育てている間に色々なものを手作りして楽しみました。
今は、安くて美味しいお惣菜がたくさんありますが、やはり旬のお野菜など安い時期に手に入れた新鮮な材料での手作りには敵いません。

栄養バランスって難しい!と思わずに、赤、黄、緑と食品の彩りにちょっと気をつければ大丈夫!
出来合いのものを買うのでもいいから、スーパーの自分の買い物カゴをみて、カラフルかどうかチェックすることを、先生は最後に勧めておられました。

実りの秋、食欲の秋、美味しいものを、美味しくいただける幸せを親子で味わってほしいものです。


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nana

2018年10月号