公開日 2018/11/02
ママとパパのリレーエッセイ 第189回 -今村知子さん
私の子育てはもう30年前になります。結婚した時は調布市深大寺の小さなアパートに住んでおり、長女が2歳半、長男が9ヵ月になるまでを過ごしました。その後日野市の高幡不動に引っ越し、高幡で次女が生まれました。
調布では、同じアパートの1歳違いの男の子を持つお母さんと助け合って子育てをしました。鍵を預け合い、急な雨の時に洗濯物を取り込んでもらったり、夜中に主人を車で迎えに行った時に、起きて泣いていた娘をあやしてもらっていたりということもありました。
高幡不動の家は、長屋のように一戸建てが密集する行き止まりの地域にありました。同じような年齢の子どもを持つ家族が何組かいて、子どもたちはよく一緒に遊び、ボール遊びでお隣の植木鉢を割っておじさんに怒られたり、近所のお宅に上がり込んだり。高畑不動尊で次女が迷子になり、真っ青になって探し回っていたところ、たまたま近所のお父さんが見つけて連れ帰ってくれたことも。
でも、一番下の娘が小3になったころ、私も仕事に復帰することを考え始め、今思えば急に子育ての手を放してしまった気がします。それが原因かどうかわかりませんが、気がつくと長女と長男が険悪な関係になっていました。最初はうすうす気づきながら、自分のことにかまけて何もせず、傷つけあう手前で何とか治まりましたが、その後もずっとぎくしゃくしていました。途中から仕事に復帰するのは難しく、仕事を続けながら子育てしていた方がよかったのではと思うこともあります。でも子どもたちが小さかった頃は大変だったけれど、過ぎてしまえば宝物のような日々です。
今、娘に長女が生まれ、共稼ぎをしながら子育てしています。孫は夜寝ない子だったので、娘はツイッターで同じ月齢の子を持つお母さんたちとやり取りし、オフ会と称して集まったこともあるようです。まだお座りしているくらいの同じ月齢の子供たちが、何人もずらっと並んだ写真はなんと可愛かったこと。こんなつながりもあるんだと思いました。
でも子どもはお母さんが大好きで、やっぱりお母さんが一番ということは、いつの時代も変わらないですよね。
私が振り返って反省しているのは、まず母親の自分自身も頑張っていることを認め、子どもたちのことももっと褒めてあげればよかったということ。まわりと比較してしまうと、自分や子どものいたらないところばかり見えてしまう、そうでなくて素直に、子どもができるようになったことをもっと褒めてあげればよかったと思います。
今、民生主任児童委員として、若いお母さんたちが一生懸命子育てしている様子を見ることがあります。どうぞ頑張りすぎず、適当に?いつも子どもたちを抱きしめてあげてほしいと思うこの頃です。
2018年11月号