公開日 2018/12/01
nanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・ season2
第4回 人と人とのつながりが希望になる
■虐待についての勉強会
日が暮れるのが早くなり、寒さも少しずつ増してきました。
ちょっと油断すると、風邪をひきそうですね。
先日、虐待についての勉強会に行ってきましたので、そのことについて書いてみたいと思います。
■良い関係性とは
NPO法人レジリエンスという団体の代表の方の講演でした。
今回は、「基礎から学ぶDV」という題で、暴力についての基礎的なお話をじっくり聴くことができとても参考になりましたので、その一部を紹介したいと思います。
セクハラ、パワハラ、モラハラと言った言葉が、毎日のようにきかれますが、ハラスメントは、いやがらせ、いじめですが、それがひどくなると暴力に発展します。
これらは、すべて人間関係中で発生することなのですが、良い関係性とはどんなものでしょう?
・平等対等である
・尊重しあえている
・安全感、安心感がある
すべての良いパートナーシップには、この3つの要素が必要です。
親子、夫婦など家族の間で、友だちとの関係で、職場の人間関係の中で、この3つの要素がしっかりと確認できるでしょうか?
ちょっと考えてみるとよいと思います。
自分の都合の良いように、人をコントロールしようとしたり、また逆にコントロールされたりしていないかどうか、こんな視点で親子関係、夫婦関係を見直してみると、違った面が見えてくるのではないかと思います。
■トラウマは残る
暴力と言えば、まず叩いたりという身体的暴力が浮かびますが、それ以外にも、性暴力、経済的暴力、精神的暴力、デジタル暴力、ストーカー行為などさまざまな暴力が存在し、それらを受けた人の心にできたトラウマは、暴力行為が無くなったあとも、消えることなく残ると言います。
子どもが言う事を聞かないため、思わず叩いてしまった経験が誰にもあると思います。
一時的に言うことをきかせることができるかもしれませんが、理由を理解せず、ただ感情で叩かれた記憶はトラウマとなって残ります。
■暴力は人を支配するときに用いられる手段
どうして人は暴力をふるうのでしょうか?
普段あまり深く考えたことがなかったのですが、人を支配するときに一番効果があるのが、暴力だそうです。
確かに、自分の思うようにいかない時に、暴力を使うというのは、原始的ですがわかりやすい行為です。
しかし、大人になると、子どもの喧嘩のような身体的暴力はなくなり、言葉や行動による暴力になっていきます。
しかも、一見良い人そうな人が、陰湿ないじめをしていたりと、わかりづらく複雑になってきて解決が難しくなります。
話し合いで解決できないと思ったら、逃げることも大事だそうです。
■トラウマの影響
人との関係性の中で、ひどい暴力を受け続けた場合、そのために残ったトラウマにより、一生様々な影響を受け生きることになります。
人に話しづらい経験を持ち、自分が普通ではなくなったという感覚や、人に理解されない、みんなと違うという疎外感を持ち、人とつながりにくくなるのだそうです。
良い人間関係を持てないことは、本当につらいことです。
■人と人とのつながりが希望になる
何だか話が暗くなりましたが、そんな中で大きな助けになるのが、人とのつながりです。
人は誰でも、人とつながりたいと思っています。
自分のことを心配してくれる人との出会い、そしてその人と安全で健全な関係を持てた瞬間に、脳からオキシトシンが出るのだそうです。
長い人生の間にたくさんの思いがけない辛い出来事が起き、大なり小なりみんなトラウマを抱えて生きているのではないかと思います。
わたしは、ホームスタートの活動で、様々なご家庭を訪問し、自分の子育てのこと、親との関係、夫婦関係などいろいろなお話を伺います。
おなじ地域で暮らす親子の、孤独感、疎外感を、短い時間ですが一緒に過ごすことで、少しでも薄めることができればと思っています。
日ごろの子育て支援活動にとって、非常に参考になるお話を聴くことができた勉強会でした。
※ホームスタートとは、ボランティアスタッフが週に1回2時間程度訪問をし、話をしたり一緒に出かけたり、保護者が孤立しないように地域との繋がりを作る活動です。
ホームスタート・みたか E-mail: h-start@kosodate.or.jp
子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
子育てコンビニでは、毎月「子育てコンビニひろば」という集まりを開いています。
子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。
nana
2018年12月号