第4回 産後のお母さんの体と産後ヨーガ

公開日 2019/02/01

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こんにちは。三鷹市助産師会です。
今回は、産後のお母さんの体の回復と産後の体の動かし方についてお話します。

生後1か月に、赤ちゃんの一か月健診とお母さんの一か月健診があります。
そこで母子共に順調ですと言われると、多くの皆さんは、里帰りから戻り、親子三人での新しい生活をスタートさせ、パパや育児サービスに頼んでいた上の子の保育園や幼稚園の送迎を再開します。
自分も家族も、もう妊娠前の体に戻ったと思い、普段通りの生活をすることが当たり前だと思い込んで、頑張っているような印象をうけることがあります。

そのようなお母さん達の中には、そろそろ2か月過ぎているのに悪露が続いているとか、病院では治っていると言われているのに会陰切開や帝王切開の傷が痛む、便秘が続いている、尿漏れが治らない、だるい、体中が凝って疲れがとれないなど、妊娠前の自分の体調に戻らず様々な症状に悩まされている方が非常にたくさんいらっしゃいます。

分娩後、妊娠・出産によって変化したお母さんの体が妊娠前の状態に回復するまでの期間を産褥(さんじょく)期といい、分娩後およそ6週間~8週間といわれています。

これは、子宮だけではなく、それを支える筋肉の疲労や傷の治癒、ホルモンの変化など全身の回復の時期なのです。つまり、生後1か月で子宮の戻りは順調ですと言われても、妊娠前の体に完全に戻ったというわけではないのです。
例えば、骨盤底筋は、赤ちゃんがお腹にいたために、その重みで2~3倍に伸びます(経腟分娩の方はさらに骨盤底を通過したのでさらに伸びています)し、それが元の状態にもどるのは約2か月かかるともいわれています。

また、妊娠期の安静治療や、産後の出血など一人ひとり出産の経過によっては、全身の筋力低下や極度の貧血などに陥っている状況の方もいます。

周りのお母さんと比べず、生後1か月を過ぎても体の不調があるときには、無理をしすぎず、しっかりと横になり休養をとることが大切です。

家族や支援サービスを積極的に受け、不快や気になる症状を助産師や病院に相談し、一人で悩まないようしてください。赤ちゃんのことだけではなく、自分自身の体を大切にすることはとても大事なことです。そして、生後3か月頃には積極的に筋力アップをはかり、成長する子供さんたちと楽しく遊べる体力をつけていくように体調を整えていきましょう。

三鷹市助産師会では、今年度より産後ヨーガを定期的に開催しております。
産後ヨーガでは、生後3か月以降の方を対象としており、産後の体調不良に効果的な骨盤底・腹筋の強化、腰痛予防、乳腺炎予防体操を行います。またリラックスできるよう途中で横になったり、新しい生活環境に適応する気持ちの切り替えをできるよう瞑想を取り入れたりしています。

ご興味あるかたは、ホームページをご参照の上、ご予約下さい。

2019年2月号



このコーナーは、三鷹市助産師会さんにご協力いただき、会員の助産師さんに交代で書いて頂いています。 
社)日本助産師会東京都支部三鷹市助産師会は、昭和16年から、三鷹市の母子保健にかかわってきた団体です。 毎月2回、元気創造プラザ3階福祉センターで行われている”助産師と一緒に赤ちゃんと遊びましょうの会”は、毎回60組ほどの親子でにぎわっています。