ママとパパのリレーエッセイ-第196回-砂糖味さん

公開日 2019/06/01

コラムママとパパのリレーエッセイ 第196回 -砂糖味さん

 


現在、大学生の娘と中学生の息子を持つ母です。

高齢で二人を出産したため、リスクの多い子育てを“これでもか!”と言うほど経験してきました。子育ての状況としては未だ厳しい嵐の中を彷徨っている気がします。近親者が近くに居ない孤独な環境、仕事、本当に毎日が波乱万丈、七転八倒、悪戦苦闘が繰り返し勃発する日々。近所の方や友人の励ましをもらい助けられ、人の心の温かさを知ることができました。最近ようやく私の手を離れる年齢に近づいて実感することは「三つ子の魂100まで」と言う言葉です。

子育ては子どもが100人いたら100通りの育て方がありドラマがあると思います。

子どもは一人一人違ったオリジナルの“核”を持って生まれ、そこを中心に年輪を重ねるように大きく成長していきます。

娘は予定日を10日過ぎても生まれる気配がなく、陣痛が来たと思ったら産道に迷い20時間もの陣痛を経た後に破水。急きょ帝王切開切に替えることになりました。既に体力を使い果たしていた私には、弱い麻酔しか使用できず、その痛みは想像を絶するものでした。今でもお腹の傷を見る度に、当時の痛みを感じます。費用も体力もそれは大変でした。相変わらず娘には、今でもお金と時間と体力を奪われています。また“ミルクのちょっと残し”と言う変わった癖がありました。娘は不思議に毎回、同じ量のミルクを残すと言う事を、笑いながら看護師さんが伝えてくれたのです。キッチリ計ったように必ずほんのちょっとだけ。大きくなった現在も、食事や掃除などにその片鱗を見ることができます。つい笑ってしまうのですが、折につけ気をつけるように促しています。

息子の方は予定日キッチリに陣痛がきて、簡単に普通分娩で出産しました。最初の子どもが帝王切開なので第二子も本来は帝王切開のところですが、娘が主人と二人の生活に耐えられないことが分かっていたので、リスク覚悟で最短入院の普通分娩でのお願いをしていました。病院側と助産婦さんのご協力で、無事出産できた時の感動は今でも忘れられません。このように自分で決めて生まれてきたような息子なので、自分で決めたら進むという頑固な姿勢には手を焼いています。自分の舵とり次第なので、その先が嵐でもお構いなし。親としては不安ですが、息子の力を信じて言いたい言葉を飲み込みながら見守り成長をただただ祈るばかりです。

いま思う事は子どもの性格や生き方の違いは個性として捉え、自分の人生を自分色で輝かせてあげたいと言う事でしょうか。それが例え親の好きな色でなくても、認めて寄り添い笑顔を向けてあげることの大切さを、子どもから教わりました。

親にしてくれてありがとう。子ども達にいつも感謝しています。


 

2019年6月号