公開日 2020/03/22
大学等の新しい授業料減免と給付型奨学金制度
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。
高等教育の修学支援新制度が2020年4月から始まります。
大学等で学びたい、しかし家庭の収入が少ないので進学をあきらめるといったケースがあります。また、奨学金を借りて進学したものの、借りた金額が多くなってしまい、卒業してから返済に苦労するというケースもあります。
低所得者世帯を中心とした学生に対し、必要な支援をおこなう新しい制度が始まります。今回は、修学支援の新制度を紹介します。
■新制度では、減免と奨学金の組み合わせで支援
新しい制度では、次の2つの支援があります。
・授業料と入学金の免除または減額
・給付型奨学金(原則、返還が不要な奨学金)
対象となる学生は、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生です。
両親・本人(19歳~22歳)・高校生の家族4人世帯の場合を想定しますと、支援額は次のようになります。
年収300万円以下(住民税非課税世帯):満額
年収400万円以下:満額の2/3
年収450万円以下:満額の1/3
基準を満たす世帯の年収は家族構成によって変わります。まずは大まかな目安としてください。
■支援の金額について
次に新制度での支援の金額について紹介します。
住民税非課税世帯の学生(満額のケース)では、次の金額になります。
私立大学(昼間)、自宅通学のケース
・入学金支援額 約26万円
・授業料支援額 約70万円(1年あたり)
・給付型奨学金 約46万円(月38,300円)
1年あたり116万円(初年度は142万円)が減額または支給されます。
国公立(昼間)、自宅通学のケース
・入学金支援額 約28万円
・授業料支援額 約54万円(1年あたり)
・給付型奨学金 約35万円(月29,200円)
1年あたり89万円(初年度は117万円)が減額または支給されます。
寮や下宿など、自宅外通学のケースでは、給付型奨学金の支給額が増えます。
短期大学や専門学校、高等専門学校、夜間制や通信制の場合は、支援の金額が異なりますので、いくらになるか確認しましょう。また、住民税非課税に準じる世帯では、上記の金額の2/3、1/3になります。
詳細については、文部科学省のホームページまたは日本学生支援機構のホームページで確認することができます。
ぜひ参考にしてください。
出典:
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm
日本学生支援機構「奨学金の制度(給付型)」
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html
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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和
充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。その後に事務所を開業。親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザー協議会認定会員。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
ホームページ http://mitaka-fp.jp/
2020年3月号