公開日 2020/07/01
nanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・ season2
第11回 人は人との関わりの中で元気になる~おしゃべりしましょう!
◆三密は避けても、親子の関係は、濃密に!
新しい生活様式の中、すこしずつ制約が緩められています。本当におそるおそる新しい暮らし方を模索している状態ではないでしょうか?
家庭、学校、仕事の他にも、医療、介護、福祉などの分野との関わり方も見直しが迫られています。
便利さ、快適さ、効率の良さを求めながら、変化してきた社会の仕組みが、新型コロナウイルスによって、根底から変わらなければならなくなりました。
そんな中での、子どもの教育、学校制度はどうなっていくのでしょうか?
リモートが大前提のシステムになっていくのでしょうか?
人間は、ふれあいながら遊び、学び、育つものなのに、ソーシャルディスタンスを守りながら、子どもが育つものでしょうか?
疑問は尽きません。
せめて、社会生活の基本となる親子の関係だけは、濃密な触れ合いの中で育んでほしいと思います。
◆自然の営みは変わらない
今年は、気のせいかパンジーなど花壇に植えた花が、長持ちしたように感じます。
時々水やりするだけなのに、いつまでも良く咲いてくれるなあと思っていたうちのパンジーですが、急に元気がなくなり、よくよく見ると、はらぺこアオムシの餌食になっていました。
パンジーを食べる幼虫は、アオムシではなく、もっとグロテスクな黒と赤の縞模様の幼虫です。
ツマグロヒョウモンといって、成虫になるとこれがなかなか美しい蝶。
駆除するのもかわいそうだと思い、放置しておいたら、ビオラまでやられてしまいました。
花を取るか、蝶をとるかの葛藤がありましたが、自然に任せることにしました。
それでも草花は強いもので、いつの間にか、植えた覚えのない場所にビオラが芽を出し花をつけていました。
人がコントロールしなくても、こんなふうに自然の力は働いているのだなあと感じました。
今回のコロナ禍による、外出自粛は普段気づかなかったさまざまなことに目を向ける時間をくれたように思います。
人の暮らしは変容しても、自然の営みは何も変わりません。
◆「目に見えない仕事」が見えてきた在宅ワーク
自粛生活を振り返る話題が出始めましたが、お父さんが家にいたことを90パーセント以上の子どもたちが喜んでいたというのが印象に残りました。
その反面、90パーセント以上の母親が、在宅での仕事と家事・育児の両立に大きなストレスを感じていました。
そもそも小さな子どもを育てながら、仕事ができるはずがありません。
感染予防のため保育園が休園になり、在宅ワークになったご家庭の大変さは想像を絶します。
そんな中でも、夫婦で役割分担を決め、時間割などの工夫をして乗り切っている方々のお話を見聞きし、そのがんばりに敬意を表したいと思います。
在宅ワークをした男性は、在宅育児の現状を知る良い機会になったのではないでしょうか。
大昔から、シャドーワークなどと呼ばれる、家事・育児、賃金が払われないどころか、始まりも終わりもないエンドレスな「目に見えない仕事」です。
そのことに、今頃ですが、気づいた男性も多かったとか。
母親を手伝う家事・育児でなく、父親も主体となる家事・育児への転換に向けた小さな一歩となったとしたら、この自粛生活も悪いことばかりではなかったと思えます。
◆0歳の子育ては、Stay Home
ホームスタートの活動で、産後間もないお子さんを育てている家庭を訪問することがありますが、まさにお母さんにとっては、Stay Home、自粛生活を強いられている状態です。
しかも、慣れない育児と家事に追われながらの自粛生活ですから、赤ちゃんがかわいいと思う反面、独身のときの自由な生活との落差から辛いと感じる事も多くなります。
みなさん「大人と話がしたい。」と口をそろえて言われます。
緊急事態宣言が解除されたあと、ホームスタート・みたかも、少しずつ訪問活動を再開しました。
お子さんと一対一でイライラしたり、落ち込んだり、気持ちが落ち着かない時は、誰かと話をするだけで、少し軽くなることがあります。
特に大きな悩みや困りごとがなくても、おしゃべりするだけで笑顔になり、不思議に気持ちが明るくなります。
人は人との関わりの中で、元気になるものです。
市内には、さまざまな広場などお出かけ場所や相談場所があります。
こんな時期ですので、利用についての情報に注意しながら、上手に活用してみてくださいね。
※ホームスタートとは、ボランティアスタッフが週に1回2時間程度訪問をし、話をしたり一緒に出かけたり、保護者が孤立しないように地域との繋がりを作る活動です。
お問合せは、ホームスタート・みたか E-mail: h-start@kosodate.or.jp
nana
2020年7月号