nanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・season2 第12回

公開日 2020/09/01

コラムnanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・ season2

第12回 わたしの新しい生活様式~手荒れで困った!

◆人生初めての出来事!
ゴールデンウイークがステイ・ホームで過ぎて行き、緊急事態宣言解除後全国的な感染者増加で、お盆の帰省も自粛という状況となりましたが、どのような夏をお過ごしでしたでしょうか?

こころや身体に不調を感じる方も増えているのではないかと思います。
先日久しぶりに美容院に行って、さまざまな雑誌のページをめくりましたが、どれもこれもお家での過ごし方や、免疫力アップ、体力アップ、メンタルの不調に陥らない工夫などなどの話題が満載でした。

わたし自身は、心身の不調は今のところないのですが、人生初の手荒れを経験しました。
5月ごろだったでしょうか?
なんとなく、手のひらの皮が固くなっているような、違和感を感じ始めました。
そのうちに、指がむくみ、指輪がきつくなってきて、気がつくと、イグアナの手?老婆の手???
歳のせいなのかなと、普段もっていても、面倒くさがりで、ほとんど塗ることのないハンドクリームを塗り始めました。


◆ハンドクリームと手袋の日々
手当が遅かったのか、症状はあまり改善せず、これは寝るときにしっかりクリームを塗って木綿の手袋をして寝るなどのケアをしないといけないのかなと、薬局で薬用のハンドクリームと木綿の手袋を購入。
しかし、これは失敗でした。
暑さのせいもあったのか、蒸れてしまって症状は悪化。
そのうちに、手のひらの皮がむけ始めました。

これは、全部剥けたら、赤ちゃんのようなきれいな皮膚がもどってくるのかなと、せっせとクリームを塗り続けました。
そのころには、もういろいろなところが、敏感になってきていました。
紙を触るとピリっと痛い感じとか、化学繊維の洋服にチクチクする違和感を感じたりなど、これまでスルーしていたことが、辛く感じてきたのです。

子どもが幼稚園の頃、障がい者のためにエプロンを縫うボランティアをしたことがありました。
縫い目が首のところに当たらないように、工夫をした縫い方でした。
このくらいの縫い目でも障るのだろうかと不思議に思ったことを思い出しましたが、敏感な方には縫い目は負担なのだと今頃納得しました。

敏感さを増すわたしの手、このままではいけないと、洗い物も控えるようにして、まとめて食洗器に入れるとか、料理もできるだけしないようにと、ときにはカップ麺ですますなどあれこれ工夫を始めましたが、これまでの生活習慣を変えることは難しいのです。

今まで通り自由に自分の手を使うためには、手を保護するように手袋をすることを徹底し始めました。
洗い物をするときは、木綿の手袋+ゴム手袋、料理の時は別の手袋、顔を洗うときや入浴、シャンプーは使い捨て手袋、お掃除は掃除用のしっかりしたゴム手袋、ガーデニングはこれまで通りの専用手袋、また外出するときにも手袋をして、お店の入り口などでの消毒は手袋の上からするようにしました。
気がつけば家の中は、あらゆる種類の手袋だらけになってしまいました。

毎日どれだけ、わたしは、わたしの手にお世話になっていたことでしょう!

◆医者に見せるかの瀬戸際
手のひらの皮が剥け終わったら、わたしの手荒れはおしまいかと思ったら、なんと手の甲まで剥け始めたではありませんか。
自己流の養生はやめて、病院に行った方が良いのではないかと思い始めたのが週末だったので、週明けには皮膚科に行こうと決心した矢先、月曜日に回復傾向が見えてきました。

とにかく、常にハンドクリームを手元に置き、暇さえあれば塗り続け、水仕事はすべて手袋を使うというのを続け、今は完全に元通りになっていますが、油断できないので、手袋生活は予防のために続けています。
これまでハンドクリームを最後まで使ったことはなかったのに、ここ3ヶ月ほどで、5~6本は使い切ったかと思います。

◆体験してみないと、人の気持ちを理解するのは難しい
これまで、酷使し続けたわたしの両手ですが、ほとんどケアをしなかったつけが回ってきたのか、大荒れ状態になり、今は落ち着いています。
しかし、今まで通りではなく、体質ならぬ、皮膚質が変わったように感じます。
この酷い手荒れの経験、きいてみると皆さん体験済みのようでした。
家の各部屋にハンドクリームを置いているという人もいるようで、日常的に水仕事が多い人はケアをしないと手は荒れるのです。
わたしの手の皮膚が幸い強かっただけで、今まで酷使しても大丈夫だったのだと今更ながら気づきました。

手荒れでも大騒ぎをしているわたしですが、大きな病気だったり、様々な悩み、突然襲ってきた不幸な出来事など、人生には辛い出来事が起きますが、そのような話を聞いて大変だなあ、お気の毒になどと思っても、体験した人の気持ちに本当に意味で寄り添うことは難しいことだと改めて感じたのでした。

そういえば、とても優秀な私の友人、中学生の頃「○○さんは、勉強しなくてもいい点とって理不尽」みたいなことを言われたのが今でも忘れられないそうです。
ところが、最近始めたお習字、何枚も何枚も書いてもなかなかうまくならないとぼやいています。そして、ちゃちゃっと書いて級が進む人をみて、昔の友人の気持ちがちょっとわかったと言っていました。
他人の理解というのは、そういうものなのかもしれません。

新しい生活様式と言われていますが、わたしの新しい生活は、手袋生活からスタートともいえそうです。

いろいろな意味で、どんな人にもストレスが大きくかかっている毎日、ちょっと立ち止まって一日を振り返る時間を持つようにしてみましょう。
今まで体力に自信があった方も、変化は突然やってきますので、油断しないように、こころと身体のケアをお忘れなく。

酷暑ももう少しの辛抱、きっと一生忘れることが出来ない今年の夏、小さくても自分だけの楽しみをみつけて充実した日々を過ごせますように!
 


nana

 

 

2020年9月号