公開日 2020/11/01
ママとパパのリレーエッセイ 第213回-しばた整骨院の柴田和幸さん
今回バトンを受け取りました、“しばた整骨院“の柴田和幸と申します。
整骨院業界に飛び込んだのが28年前・・・ずいぶん昔のことになります。業界に飛び込んでから「最近の子供はケガが多い。」「昔の子は捻挫で済んでいたことが最近の子は骨折してしまう」などといったようなことを年々耳にします。同じように生まれ育って、いったい何が違うのか・・・様々な見解があり、それぞれ納得できます。そのいくつかをご紹介いたします。
・日本家屋の畳から洋風家屋のフローリングに移行
・核家族化に於ける狭小住宅化
・下駄や草履などの鼻緒のある履物を履かない
・空地の減少、公園の利用ルールの制限
・正確な歩き方を知らない など
どれも現代の子供たちへの影響が考えられます。文字数の制限がございますので二つほどお話しします。最上段の畳からフローリングになり正座をする機会が無くなりました。最大のメリットは姿勢が楽なので食事や勉強などが長時間できるようになりスタイルも良く、スネが長くなりました。その一方で正座と違い、真っ直ぐ座らなくてもいられるようになり、姿勢の悪い子供が増えました。歩く、走る、飛ぶなど運動に於いて不良姿勢は上手にエネルギーを伝えることが出来ません。結果運動のバランスが保てずケガにつながるということになります。
私の娘も5年生の時に「体が痛い」と訴え、骨格、姿勢をみてみると、かなり歪んでいてすぐに施術したことを思い出します。皆さんも大事なお子様の姿勢をよく観察してみてください。
二つ目の狭小住宅化についてはまず成長過程から説明します。寝ている赤ちゃんが歩くまでを運動の視点でお話しします。視野が狭い赤ちゃんはまず目を動かして視野を広げて興味を増やします。そして視界の外を見るために首が動きます。そして興味対象に触れようと手を伸ばし→届かないので身体を捻り→寝返り→四つ這い→ハイハイ→つかまり膝立ち→つかまり立ち→歩行と運動が進んでいきます。これはその都度に必要な筋肉を十分発達させて次の運動に移行することを示していますが、狭小住宅化に伴い、ハイハイでの股関節運動諸筋の発達が十分でないままつかまり膝立ちに移行していることが原因のようです。つまり長距離をハイハイで移動するスペースが少なくなっているのです。ですが、ハイハイ期間が短くても、その後のつかまり膝立ち~歩行に於いて股関節運動は行えるので日常生活動作には支障はありませんが、激しい運動になると影響がないとは言えないそうです。
「立てば這え、這えば歩めの親心」という言葉がありますが、這ってから歩むまではゆっくり見守り、十分な成長過程を赤ちゃんに与えてあげると将来ケガが少ない子供になるかも知れません。
しばた整骨院 https://www.shibata-seikotsu.jp/
2020年11月号