公開日 2021/06/01
nanaの一口エッセイ~力を抜いて、ゆったりと・・・ season2
第15回 雑談って大事!
◆自粛生活が長引いていますが・・・
新緑の季節もあっという間に過ぎ去り、青やピンク、また紫、白など美しい紫陽花があちらこちらで見られるようになりました。
長引く自粛生活にもいろいろ慣れてはきましたが、つくづく思うのは、雑談の大切さです。
顔を合わせることが少なくなり、家族以外の人とは、必要最低限の関わりになって1年以上が経ちました。
拙エッセイのテーマがなかなか見つからないなと思って、考えてみたら雑談をしていないことに気がつきました。
ランチをしながらとか、何かの会議の前後などに交わす何げない会話がこのエッセイのテーマ探しに役立つことがよくあったことを思い出しました。
◆人はみんな違うということ
ホームスタートの活動を始めて、5年目に入り家庭を訪問して下さるホームビジターさんや、利用者の方など本当にたくさんの方々との出会いをいただきました。
人と話をする時間がとても増えたと感じています。
多くの人に会えば会うほど、人はみんな一つの事柄を理解するのも人それぞれで違うということに度々気がつき驚きます。
似ているタイプとかはあるけれど、見事にみんな違います。
そう考えると、どんな風に受け取られるかはこちら側には見えませんから、言葉がけには気をつけないといけないと改めて思います。
励ましたつもりで言ったひと言が、相手を傷つけることもあるのですから。
◆最近はっと気づいたこと
最近お会いすると「疲れているみたいだけど大丈夫?」と聞いてこられる方がいて、わたし自身は、「元気ですよ。」と答えつつも、体調も悪くないしなあ、そんな風にみえるのかなあ、美容院しばらく行ってないし、お化粧ちゃんとしてないからなあなどと、内心気になっていました。
でも、同じ日に「お久しぶり、元気そうですね!」と声をかけて下さる方もいるのです。
そこで、はっと気がつきました。
わたしに、疲れているのではと声をかけて下さった方は、ご自身が疲れていて、それを周りに気遣って欲しいのだと。
そこで、「○○さんもお疲れみたいですけど、お忙しいですか?」と言ったところ、「いえいえ大丈夫ですよ。」と言いながら嬉しそうに微笑んでいろいろお話してくださいました。
考えてみると、そういった経験はよくあって、会話の相手からされる質問は、だいたいその質問を自分に向けて欲しいことが多いのです。
例えば、「お子さんは何歳ですか?」などと聞かれるときは、たいていご自身の子どもの話をしたいときだったりします。
◆貴重な雑談タイム
このところ書面やリモートの会議が多い中、対面の会議で2年ぶりにお会いした方が、終わった後に、「この時期ですが、活動どうされていますか?」と、わたしたちに活動について聞いてこられたので、「昨年2~3ヶ月は休みましたが、今は活動しています。そちらはいかがですか?」と返したら、現状の大変さをたくさんお話してくださいました。リモートばかりになって、なかなか人とリアルな雑談が出来ない今、その方にとっては、貴重な雑談タイムだったのかもしれません。
◆ちょこっと話すとすっきりすることも
相談するほどではないけれど、なんだか気になったこと、こころに引っかかっていること、そんなあれこれを誰かにちょこっと話せるとすっきりすることが多いです。でも、相手が誰でもいいわけではなく、やっぱりわかってもらえそうな人を無意識に選んで人は話します。
家族がそんな役割になってくれているといいのですが、内容にもよるので気持ちが通じているお友だちは必要ですね。
そしてホームスタートの活動も相談というよりも何げない普段のおしゃべり、いわゆる雑談をすることが多いです。それでも子育てで忙しく余裕がなくなっているママたちから気持ちが軽くなった、前向きになったという感想をいただいています。
そう考えると、傾聴などど難しく考えずに近所のおばちゃんとして、気負わずに続けていけそうな活動かもしれません。
でもそのためには、自分自身のこころにゆとりをもっていないといけませんが・・・
子育てコンビニ/ホームスタート・みたかの活動は、コロナ禍ですが継続中です。
※ホームスタートとは、ボランティアスタッフが週に1回2時間程度訪問をし、話をしたり一緒に出かけたり、保護者が孤立しないように地域との繋がりを作る活動です。
お問合せは、ホームスタート・みたか E-mail: h-start@kosodate.or.jp
nana
2021年6月号