ママとパパのリレーエッセイ第220回- ニシミさん

公開日 2021/06/01

コラムママとパパのリレーエッセイ 第220回-ニシミさん

昨年ホームスタートを通して子育てコンビニの会員となり、今回リレーエッセイのバトンを受け取ったニシミと申します。
2019年に息子と娘が結婚し子育ても一段落。第二の人生を考えなければ…と思っていた矢先に娘が出産し、私はバーバになりました。
娘は初産・私は初孫・しかもコロナ禍!!そんなバーバの奮闘記にお付き合いください。

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娘が産休に入ったのは一日2000人の感染者が出た緊急事態宣言下だった。
娘の感染リスクを少しでも避けさせるために、全てのことが自粛で暇になったプレバーバは出産準備に出動した。
ところが数十年ぶりのベビー用品売り場には聞いた事もない横文字が並ぶ。
ベビーカーはほとんどが外国製で、私の使っていたコンビやアップリカは何処に?
抱っこ紐も見慣れない形状のベッタ・スリング・ハグタンって?
授乳クッション・一個ずつビニールで包まれて臭いがしないおむつペール・車に乗るには必需品のチャイルドシート等々…
ついでにお祝いで頂く物も、ベビーモニター・スリーパー・バンボ・おむつケーキ!
昔とは大違い。とにかく商品は充実のラインアップで至れり尽くせり。
さて何を選ぼうか…
結局のところ娘に指示を仰ぐため電話と写メを繰り返してあまり役に立たないプレバーバ…

すったもんだして準備も一通り済んだころ、本来ならば3月が予定日だったのだがPCR検査後は入院までに時間を空けたくない病院の意向もあって急遽計画分娩に。
立ち合い出産どころか入院時の付き添いも禁止・面会禁止・差し入れ禁止・出産時もマスク着用(どうやっていきんだのか?)の徹底ぶりだったらしい。
二人目の出産の人は最初の出産とのあまりの違いに寂しかったと聞くが、幸い初産の娘は比較のしようがない。
何はともあれ、娘は母に・私はバーバになった。

退院後6週間の里帰り。
どんなに育児用品が豊富になろうと、使うのは所詮は人だ。
おむつ替えがなくなる訳でも深夜の授乳がなくなる訳でもない。
いよいよバーバの腕の見せどころ!と張り切ったが、沐浴は母に任せきりだったので初心者・縦抱きにすれば娘に叱られ・紙おむつはメーカーによって足回りのギャザーが違ってコツがあったり…ここでも役に立たない(泣)
でも、大泣きしていても・ミルクを吐いても・便秘をしても・しゃっくりが続いても「そんな時もあるのよ」と言えるのは経験のなせる技!娘も「ママ凄い!!!」と感嘆の声を上げてくれた。

今回娘の初めての育児を見ながら、昔の自分も一つ一つが不安な日々であった事を思い出した。新生児が泣くのは当たり前だと分かっているのに、授乳して・おむつを替えて・暖かくして抱っこしているのに泣き止まない我が子が心配になる気持ちは良くわかる。
真面目な顔で「新生児が泣く理由」などと検索をしているのは追いつめられていたのだろう。
そしてその昔、不安な時に「大丈夫だよ」と傍らにいてくれたのは母だ。
今更ながら母には感謝の気持ちでいっぱいになる。
バーバの役目は出産準備や沐浴じゃなくて傍らで大丈夫だと声をかけることなのかもしれない。

そして先日無事に自宅に帰った娘からは、毎日「可愛い」を連呼する動画が届く。
我が子が可愛いと思える余裕が出来たら子育ての第一関門は突破かな?
この先の長い育児生活、可愛いだけでは済まない日もくるだろう。
バーバは一生応援団。もちろんSOSには駆けつける!
しかし新米親子を送り出し、負けじと私も第二の人生に踏み出さねばと思う今日この頃。
このコロナ禍で里帰り出産できない人・来てもらえない人・育児に不安を抱えている人…
そんなママ達のSOSにホームスタートのビジターとして、少し寄り添えればそれが最初の一歩かなぁ。
 

2021年6月号