公開日 2021/07/23
児童手当のおさらい。15年で約200万円のお金は将来の教育費に
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニで暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。
子育て世帯に支給されている「児童手当」ですが、使わずに貯めている方も多いのではないでしょうか。全部貯めると子ども1人あたり約200万円になります。
今回は子どもの教育費の助けになる児童手当について紹介します。
■児童手当の支給対象と支給額
児童手当は、子どもが中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日)まで支給されます。
気になる1人あたりの支給額(月額)は次の通りです。
・3歳未満は、一律15,000円
・3歳以上小学校修了前は、10,000円(第3子以降は15,000円)
・中学生は、一律10,000円
支給時期は原則として6月、10月、2月で、4カ月分がまとめて支給されます。
中学校卒業まで15年間の合計は約198万円です。生まれた月にもよりますが、1人あたり約200万円になります。
■収入が多い家庭は減額になる
児童手当制度には所得制限があります。父母の収入が高い方が、次に示す所得制限限度額を超えている場合は、児童手当の代わりに特例給付が支給されます。
特例給付の支給額は、1人あたり月額5,000円です。
所得制限限度額は次の通りです。
・扶養親族等の数が0人の場合、622万円、収入の目安で833.3万円
・扶養親族等の数が1人の場合、660万円、収入の目安で875.6万円
・扶養親族等の数が2人の場合、698万円、収入の目安で917.8万円
・扶養親族等の数が3人の場合、736万円、収入の目安で960万円
・扶養親族等の数が4人の場合、774万円、収入の目安で1002万円
・扶養親族等の数が5人の場合、812万円、収入の目安で1040万円
例えば、小学生の児童が2人、年収103万円以下の配偶者がいる場合、扶養親族等は3人になります。この家庭では、給料の収入が960万円以上ですと特例給付になります。
収入の多い人がいる家庭は減額になるということも知っておきましょう。
■児童手当は将来の学費に充てるのが効果的
教育費が一番かかるのが大学生の時期です。私立文系の学費の平均は、毎年95万円、初年度は入学金と合わせて117万円で、4年間合計では約400万円になります。
子どもが2人とも大学生の時期ですと、学費だけで毎年200万円近くかかることになり、年収だけではやりくりが難しいかもしれません。そのため、大学の学費については事前に貯蓄で備えるのがよいでしょう。
児童手当を全部貯めると約200万円ですが、私立文系の学費4年分の400万円のちょうど半分です。残り200万円は収入から貯める必要がありますが、200万円を15年かけて貯めるのならば毎年13.3万円、月1万円ちょっとです。これなら実行できそうすね。
■まとめ
・児童手当は中学校卒業まで支給される。
・3歳までは月15,000円、それ以降は月10,000円(第3子以降は増額あり)。
・所得制限の限度額を超えると特例給付になり月5,000円。
・児童手当を全部貯めると約200万円になる。
・大学の学費を準備するためにも、児童手当は使わず貯めておきましょう。
ぜひ参考にして下さい。それではまた。
出所:内閣府 児童手当制度のご案内
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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和
会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには個人個人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得。その後事務所を開業。
親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員
ホームページ https://mitaka-fp.jp/
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