エッセイ
無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 57
         2024年5月10日
無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 57
―大五郎、脱オタクへの野望―
水無田気流
わが一子大五郎(仮名)、現在16歳6か月。小学校6年生の終わりころ視力が落ちてメガネ着用となり、以来ずっとメガネ少年である。本人、昨年くらいからさかんに「コンタクトにしたい」と言うようになった。メガネが邪魔なの?と聞いたら、「モテたいから!」と即答された。曰く、自分の見た目はとてもオタクっぽい。とりわけオタクっぽく見えるポイントは何かと考えたら、やはりこのメガネだろうという結論に行き着いた。ゆえに、コンタクトレンズに変えて見た目の脱オタクを図りたい、そうすれば女子にモテるかもしれない……とのことだった。
自分のマイナス面をすべてメガネのせいにするのはどうかとは思うが、思春期の少年である。気が済むようにやらせてみようかと思い、眼科に連れて行った。視力を測り、注意事項などについて説明され、早速コンタクトレンズ装着の練習に入った。私は保護者の同意が済んだ後、看護師さんに「待合室でお待ちください」と言われ、退出。
その後、待合室で本を読みながら大五郎を待った。だが1時間ほど待っても、出てこない。心配になって看護師さんに声をかけ、様子を見に行ったらヤツはまだコンタクトレンズと格闘していた。まあ、予想はしていた。ヤツは不器用な上にビビりなので、コンタクトレンズは難しいかもしれない、と。もっとも本人は、「ようやく左目に入ったけど、右目に入れられないよ!」と必死である。看護師さんには「大丈夫よ〜!三日連続でここに通って、ようやく入れられるようになった人もいるからね」と言われた。しかしさすがに母は忙しい。先に帰宅させてもらい、結局ヤツは2時間半かけてなんとかコンタクトレンズを両目に入れて帰ってきた。「俺、やっぱりコンタクトはあきらめようかな」いいの?「これからは、自分のオタク性を認めて生きていこうと思う」ヤツなりに、何かに達観したような春の日だった……。
<続く>
コンビニ通信vol.69(2024年4月発行)掲載
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