エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第36回 

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2022年4月5日

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第36回 <2019年11月号>

◆私立高校に通う学生への支援制度

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。

教育費は家計にとって大きな支出の一つです。公立高校の授業料の無償化はすでに実施されていますが、私立高校については授業料の一部を補助している状態です。
しかし、2020年4月から制度が変わります。所得要件があるものの、私立高校についても授業料の無償化が実施される予定です。今回は高等学校の就学支援金制度について紹介します。

■高等学校等就学支援金制度

高校生への修学支援制度として「就学支援金」があります。

公立の全日制高等学校に通う学生の場合、支援金は月額9900円、年額11万8800円です。授業料をもとに決められている金額ですので、この制度によって授業料が実質無償化されます。

ただし所得要件があります。住民税の所得割額(市町村民税と道府県民税の合計)が50万7000円未満です。両親がいる場合は2名の合計で判定します。また、住民税の所得割額は、毎年6月頃に市町村から届く明細で確認することができます。(勤務先を通じて届くケースがあります)

参考として、モデル世帯の年収で約910万円未満の世帯です。ここでいうモデル世帯というのは、両親のうちどちらか一方が働き、高校生一人、中学生一人の子どもがいる世帯です。

■私立高校の場合

私立高校の場合は、公立高校に比べて授業料が高くなるので「就学支援金」の支給額にも違いがあります。

モデル世帯の年収で次の額になります。
年収270万円未満で、年額29万7000円(2.5倍)
年収270万円~350万円で、年額23万7600円(2.0倍)
年収350万円~590万円で、年額17万8200円(1.5倍)

2020年4月から、次のように支給額が大きく見直されます。
年収590万円未満で、私立高校の平均授業料を換算した水準となります。
年収590万円以上の場合はこれまでと同じ、年額11万8800円です。

私立高校の通う学生の授業料負担を減らすため、国の制度が充実することになります。

■東京都独自の制度

東京都では私立高校の支援制度が充実しています。先ほどの「就学支援金」に加えて「授業料軽減助成金」があります。

この「授業料軽減助成金」制度を利用すると、モデル世帯の年収760万円未満で、年額45万6000円(就学支援金と授業料軽減助成金の合計)の負担が軽減されます。この45万6000円の金額は、都内の私立高校の平均授業料をもとに決められている金額ですので、すでに授業料の実質無償化が実現されていると考えることもできます。

授業料以外にも施設費や教材費などの費用がかかります。この制度で学費の負担がゼロになるわけではありませんので注意しましょう。

今回の「就学支援金」制度の変更によって、東京都独自の制度も見直しされる可能性があります。今後の入学先、通学先の学校からの案内を確認するようにして下さい。
ぜひ参考にしてください。

参考:
文部科学省 高校生等への修学支援
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm新しいウィンドウで外部サイトを開きます

東京都私学財団 私立高等学校等授業料軽減助成金事業
https://www.shigaku-tokyo.or.jp/pa_jugyoryo.html新しいウィンドウで外部サイトを開きます

 

※コラムの内容は執筆当時の情報によります。

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