エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第65回

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2022年10月27日

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第65回

 

◆2022年10月から始まった「産後パパ育休」とは

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニで暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。

 

近年は共働きの家庭も増え、出産後も仕事を続ける女性が増えています。女性に家事・育児・仕事の3つの負担がかかっている状況を改善するため、男性の育児への参加が課題となっています。

男性の育児休業取得はわずかながら増加傾向にありますが、2022年10月から新しく「産後パパ育休」が始まりました。今回は、産後パパ育休の制度と育児休業での改正点を紹介します。

■「産後パパ育休」は子どもが生まれてから8週間以内が対象

「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、2022年10月に新しく始まった制度です。子どもが生まれて間もない8週間以内が対象になっており、従来の育児休業とは別に取得できるのが特徴です。

・対象となる期間:出生後8週間(56日)以内
・取得可能期間:最大4週間(28日)
・分割取得:2回まで可能(初めにまとめて申し出が必要)
・休業給付金:賃金日額の67%
・休業中の就業:労使間の協定と個別合意があれば可能

最大4週間(28日)まで取得でき、2回に分けることもできるので、14日+14日、21日+7日などの取り方も可能です。

給付金は月給(額面)を日割りした金額の約3分の2ですが、給付金は非課税なので税金がかかりません。税引き後の手取り額と比べると約8割の水準ですので、収入の減少も大きくはないでしょう。

■育児休業も分割取得が可能に

育児休業でも改正があり、使いやすくなりました。

・育児休業を分割して2回まで取得可能(取得の際にそれぞれ申し出)
・1歳以降に育児休業を延長する場合、各期間の途中から取得可能

これまでは育児休業はまとめて取るしかなかったのですが、今後は2回に分けて取れるようになりました。

また、保育所に入所できないために1歳以降も延長する場合、夫婦で育児休業を交代できるのは1歳、1歳6カ月の区切りの際に限られましたのが、これから途中での交代も可能になりました。

新しい制度では、産後パパ育休を使って産後8週間の期間に夫婦一緒に育児に対応し、さらにその後も、育休を交代で取得するなど柔軟な活用方法ができるようになります。

事業主には、上司や同僚からのハラスメントを防止するように対応することが義務づけられていますので、職場と相談しながら夫婦の育休計画を立てるとよいでしょう。

育休期間中は収入がやや減少しますので、事前の家計対策も重要です。前もって、育休中の収入でも赤字にならないように、家計を見直しておくと安心です。

参考:厚生労働省 育児・介護休業法について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

 

★コンビニスタッフより補足です
東京都労働局で制作した「育業」の解説動画が分かりやすいのでご紹介します。
勤務先の人事ご担当の方にもぜひ。
https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/ikugyo/movie#movie3

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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和

会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには個人個人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得。その後事務所を開業。
親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員

ホームページ https://mitaka-fp.jp/

 

※コラムの内容は執筆当時の情報によります。

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