エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第72回

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2023年8月30日

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第72回

◆究極の固定費、住宅費の適正な割合は?

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えします。

 

電気やガスの光熱費、食料や日用品など、生活に関わるあらゆる物が値上げとなっていますが、皆さんはどのような工夫をされているでしょうか?
支出で大きな割合を占めるものといえば住宅費です。賃貸住まいの人は家賃、持ち家の人は住宅ローン返済や固定資産税、維持費などですね。
今回は、究極の固定費ともいえる住宅費の目安を紹介します。

■家計の見直しは固定費から

家計の見直しをする場合、「固定費から見直すと効果的」と過去のコラムでもお伝えしました。携帯電話などの通信費、生命保険料、動画配信などのサブスクです。

食料や日用品などの変動費は見直しに手を付けやすいものの、毎回節約を意識しなければならないので長続きしないケースが多いようです。

一方、固定費は一度見直しをするとその効果が持続します。携帯電話の通話プランであれば、一回手続きをするだけでその節約効果は翌月以降も続くという仕組みです。

また、動画配信などのサブスクで複数のサービスを利用している場合、あまり見ていないものを解約してしまう方法があります。また見たいコンテンツが出たときに復活させればよいのです。

■住宅費の見直しは難しいので初めが肝心

固定費のなかで、究極の固定費と思われるのが住宅費です。

賃貸住まいなら引っ越しという手段があるものの、引っ越しにもお金がかかるので簡単に見直しはできません。

また、購入した住宅を売却するのは費用も手間もかかりますので、購入時にしっかりと資金計画を立てておく必要があります。

それだけに住宅費の見直しは難しいもの、引っ越しや購入時の判断が重要です。

■住宅費の適正な割合とは?

ファイナンシャル・プランナーとして多くの方の家計を見てきた経験から、住宅費の適正な割合は次のようなパーセントと考えています。

賃貸の人:世帯の月の手取りの25%以下
持ち家の人:世帯の月の手取りの30%以下(住宅ローン返済がある場合)
(共働きの場合、共働きを続けるなら夫婦の合計で構いません)

賃貸の人は世帯の人数によって、部屋数など住む場所を変えることをお勧めします。住む場所が変えられるのが賃貸のメリットなので、時にはスリム化も必要です。

持ち家の人の割合が大きめになっているのは、住宅ローン返済が終わると、住宅にかかる費用が固定資産税と修繕費だけになり大幅に減少するためです。つまり、将来の分を前払いしているイメージでしょうか。

無理をして駅近のマンションを購入した結果、手取りの35%近くになるご家庭もあります。その場合、住宅費以外の生活費や娯楽費、教育費をかなり節約しなければなりません。本当に住宅を優先したい人しか勧められないですね。

また、ボーナスは旅行やイベントなどに使い、住宅には使わない方が良いでしょう。ただし、価値観の点で住宅を重視する場合では、ボーナスを含めて計算することもあります。

三鷹市など中央線沿線の地域は住宅価格や家賃が高くなっています。環境や利便性を兼ね備えた地域だけに住みたい気持ちも分かるのですが、無理をして貯蓄ができなければ、将来に大きな苦労することになってしまいます。

賃貸を借りる場合、物件を購入する場合は、上記の割合を参考にしてはいかがでしょうか。できれば、他の支出も考慮したライフプランを作るとよいでしょう。
ぜひ参考にしてください。

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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和

会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには各人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得し、その後事務所を開業。
三鷹市を中心に活動し、親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けている。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員

ホームページ https://mitaka-fp.jp/

 

※コラムの内容は執筆当時の情報によります。

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