エッセイ

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 47

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編  47のイメージ

2022年5月27日

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 47
―大五郎、我が道を行き続ける……のか―

水無田気流

 

わが一子大五郎(仮名)、現在13歳8か月。
中学2年生になった。相変わらず、というかますます変人ぶりに磨きがかかってきた。
最近、ヤツにはプロ野球選手の応援歌マイブームが来た。野球選手のファンが試合の時歌う、あれである。私も野球を観るのは好きで、今まで何度も球場に足を運んではいたが、応援歌の歌詞まで注目して聴いていたことはなかった(ああ、応援してるな、くらいの感じで)。
だが、最近はYouTubeなどで応援歌の歌詞がメロディ付きで検索できたりするので、すっかりハマってしまったらしい。もともとオリックスの吉田正尚の応援歌がかっこいいと応援歌を聴き出して、現役選手だけではなく過去の名選手の応援歌まで聴くようになってしまった。

ほぼ毎日のようにiPadで応援歌を流し、本人も歌っているのを聴くと、なかにはとてつもなくとんちきな歌詞もある。巨人のクロマティーの「楽をしてもクロウ、クロウ、苦労してもクロウ、クロウ♪」はじわじわくる珍妙な歌詞だし、阪神時代の片岡篤史に至っては「右投げ左打ち、実家は檜風呂 リフォーム リフォーム〜♪」は、もう応援しているのか個人情報を垂れ流しているのか分からない……。

そして、ヤツはバッティングにもハマってしまった。運動音痴のくせになぜかバッティングだけは好きで、毎日のように下校時にバッティングセンターに寄って帰ってくる。
当然ながら、お小遣いは使い果たしてしまう始末である。無駄遣いするなとこんこんと言い聞かせたがヤツは聞かず、先日は制服の袖口ボタンをなくしたので購買で買ってくるよう言って渡したお金まで、バッティングセンターで遣いはたしてきた……。
なぜ言いつけ通りボタンを買わない?と注意したら、「僕はそんな無駄遣いは、したくはないんだよ」と飄々と言う。

好きなものに遣うお金以外はすべて無駄遣いというこの感覚、何とかならないだろうか……。

<続く>

コンビニ通信vol.58(2021年7月発行)掲載

 

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