エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第15回

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2022年4月5日

教えて!伊達さん~お金にまつわるお話~ 第15回  <2017年11月号>

◆中学から私立校を選ぶ場合の教育費

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。

前回は私立高校に進学するコースで教育費が「いつ」「いくら」必要かを学年を順に追って確認しました。今回は中学から私立校のコースを選ぶ場合について考えてみたいと思います。

首都圏では私立中学も多くあり、有名大学を目指すなどの目的で中学から私立に進学させたいと考える親御さんもおられます。中学は義務教育のため公立校が主流であり、あえて私立校を選ぶということはそれなりの費用がかかることを覚悟しなければなりません。次のように、中学から私立に進学するケースを考えてみます。
・小学校:公立
・中学校:私立
・高等学校:私立
・大学:私立文系

図1

表は各学年で1年間にかかる費用を万円単位で表しており、それぞれの数字はこれまでのコラムで紹介してきた全国調査の平均値です。学習費には習い事や補習塾の費用も含まれていると考えてください。なお、子育てに必要な食費や日用品費はここには含まれていません。

以前にもご紹介しましたが私立中学に通う場合、学費として年額120万円、月約10万円近く必要になります。さらに中学受験のため小学4年生ごろから塾通いをするケースも多く、これらの学習費もかなりの金額になります。中学から私立校に通う場合の教育費の考え方は次のようになります。
・小学4年生から大学卒業まで毎年100万円以上かかる。
・事前の学費の準備ができるのは小学3年生の9歳ごろまで。
・事前の準備よりも、毎年の収入から学費を出すと考える。
・親同士のお付き合いで費用がかかる事もある。

前回までは大学の費用を事前に準備することも考えましたが、今回は事前の準備期間が短いためにその手が使えません。「子どもが生まれる前から貯蓄をしていた」という場合でもない限りは、毎年の収入から費用を出す必要があります。

それでは、私立進学を選んだ場合の毎月の家計はどうなるでしょうか?
図2

例として、世帯年収750万円のご家庭を考えてみます。この場合、毎月の平均の手取り額は約50万円(賞与なしの場合)です。
教育費を10万円とすると家計の20%を占めることになります。一般的に教育費の割合は15%前後といわれていますので、教育費のしわ寄せがその他の費用に及んでいます。教育費の割合を15%にするには、世帯年収1,000万円が目安です。

子どもが2人とも私立に通ったらどうなるでしょうか?毎月20万円近くの教育費が必要になります。これを維持するには世帯年収1,500万円が一つの目安です。

共働きで収入がある、役職が上がって収入が大きく増えたなどの場合は、教育費の面から考えると私立中学校への進学も選択肢の一つになります。ただし、生活費と教育費のバランスは事前によく考えておきましょう。
ぜひ参考にして下さい。それではまた。

 

 

※コラム内容は執筆当時の情報によります。

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