エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第31回

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2022年4月5日

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第31回  <2019年5月号>

◆公的年金の3つの役割を知っておこう

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。

前回のコラムのテーマだった扶養に関係するものとして公的年金(国民年金・厚生年金)があります。公的年金については意外と知られていないことも多く、みなさんが思っている以上にさまざまな役割があります。いざというときに役に立つ公的年金。今回は公的年金の3つの役割について紹介します。

■老後生活の備え、老齢年金

年金ときいて一番に思い浮かべるのが、老後に受け取ることができる老齢年金でしょう。歳を取ると若いときのような働き方は難しくなります。また、会社で定年がある場合は働き続けることが難しくなるでしょう。それでも老後を生きていくためにはお金が必要です。老齢年金はそのような老後の生活費を補う役割があります。

老齢年金には「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。老齢厚生年金は会社員・公務員などで厚生年金に加入していた人だけが対象です。また老齢基礎年金は基本的に全員が対象です。

老齢基礎年金には受給要件があります。保険料を納めた期間、保険料を免除された期間、そして合算対象期間を合計して10年間(120月)以上あることが必要です。また、満額を受け取ることができるのは40年間(480月)加入した場合で、それ以外の場合は加入期間に応じた金額だけが支払われます。

■病気やケガで障がいを負ったときの備え、障害年金

最近少しずつ知られるようになってきたのが障害年金です。病気やケガで日常生活や仕事が制限されるような状況になると、さまざまな面で負担が増えてきます。健康なときのように満足な収入が得られない状況では生活も大変です。障害年金はそのような万が一の状況に備える役割があります。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。障害厚生年金は、病気やケガではじめて医師の診療を受けたときに厚生年金に加入していた人が対象です。

老齢年金とちがって現役世代の人も受け取ることができます。ただし、障害年金には受給要件があります。年金を未納していると基本的に障害年金を受け取ることはできません。

■万が一の遺族への備え、遺族年金

万が一の備えとしては生命保険がよく知られていますが、公的年金にも同じような万が一の備えの役割があります。残された遺族が生活するためにはお金が必要です。遺族年金はそのような万が一のときに遺族の生活を支える役割があります。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。遺族厚生年金は、厚生年金加入している人(被保険者)が亡くなった場合が対象です。また、以前被保険者であった方で老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある方が亡くなった場合も対象です。

遺族年金は、遺族の家族状況によっても受給内容がことなります。18歳未満の子どもがいる配偶者またはその子は、少なくとも遺族年金を受け取ることができます。その点では子育て世代には心強い制度といえるでしょう。

公的年金には現役世代も対象になる障害年金や遺族年金があることを知っておいていただきたいですね。ぜひ参考にしてください。

 

※コラムの内容は執筆当時の情報によります。

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