エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第53回

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2022年3月30日

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第53回  <2021年9月号>

◆つみたてNISAとは?教育資金の準備にも使える?

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニで暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。

近年、新しく投資を始める人が増えており、20代、30代を中心に「つみたてNISA」の加入数が増えています。

金融庁の調べによると2021年3月末時点で、つみたてNISAの口座数は361万5075口座、20代と30代で47.3%と約半分を占めています。今回は「つみたてNISA」の概要を紹介します。

■つみたてNISAとは

つみたてNISAとは、NISA(少額投資非課税制度)の1つで、少額からの長期・積立・分散投資を支援する制度として、2018年1月からスタートしました。

日本に住んでいる20歳以上の人が利用できます。

一般に株式や投資信託などの投資商品を購入し、保有中に配当金や分配金を受け取るとき、また、購入時より高く売却できて利益が出るときは、利益に対して20.315%の所得税(復興所得税含む)と住民税がかかります。

しかし、つみたてNISAの制度を利用して購入した場合は、保有中に受け取る分配金や、売却時に発生する利益については非課税となり税金がかからず、税の優遇がある制度です。

■つみたてNISAを利用するときの条件は

税の優遇がある制度ですが、利用にはいくつかの条件があります。

まず、1人1口座しか開設することができません。

次に、つみたてNISAで購入できる金額には上限があり、毎年40万円までです。また、非課税の期間は最長20年となっています。非課税期間は20年間ですが、途中で売却することもできます。

毎年40万円の非課税枠を20年間利用できるので、合計800万円(40万円×20年)まで投資することができます。

さらに、つみたてNISAでは投資対象の商品に制約があります。金融庁が定めた条件を満たす、長期の積立、分散投資に適した一定の投資信託しか購入することができません。

投資経験のある人には少し物足りないと感じるかもしれませんが、販売手数料がゼロであること、管理手数料の上限などの条件があるため、高額な手数料の商品を買ってしまう心配が少ない点はメリットでしょう。

■つみたてNISAを利用するときに注意したいこと

つみたてNISAは税の優遇がある制度ですが、購入する商品は投資信託です。

投資信託はプロが運用する商品ですが、預金と違い元本保証がありません。そのため、運用の結果によっては元本割れになる可能性があります。

非課税投資枠は年40万円(月33333円)ですが、全部使い切る必要はありません。家計に無理のない金額で利用しましょう。

1人1口座しか開設できないので、どの金融機関で開設するか事前によく検討しましょう。ただし、毎年、金融機関の変更することは可能です。

預金と違って元本保証はありませんが、将来投資したお金が増える可能性があります(もちろん逆に減る可能性もあるわけですが)。

幼い子どもがいるご家庭では、大学の学費などの準備まで20年近い期間があります。元本保証のある預金でしっかり貯めておくことが第一ですが、一部を積立投資で準備する方法もあります。その場合に「つみたてNISA」は1つの選択肢になります。

つみたてNISAは投資の制度です。価格が下がって元本割れになるリスクがあることを理解した上で、余裕資金の範囲で利用するとよいでしょう。

■まとめ

・つみたてNISAは、税の優遇がある投資制度です。
・購入した投資信託の分配金、売却時の利益が非課税になります。
・1人1口座、非課税投資枠は年間40万円まで、最長20年間利用できます。
・購入できる商品は投資信託で、元本保証はありません。
・無理をせず、投資する資金は、家計の余裕資金の範囲にとどめましょう。

ぜひ参考にして下さい。それではまた。

出所:金融庁 つみたてNISA

 

※コラムの内容は執筆当時の情報によります。

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