エッセイ
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第55回
2022年3月30日
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第55回 <2021年10月号>
◆災害への備え、火災保険の加入内容を確認しよう
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニで暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えしていきます。
最近は大雨や台風、地震などの自然災害が増えており、災害による被害額も増加しています。災害への備えとして火災保険や地震保険に加入しているケースも多いと思いますが、加入内容についても改めて確認するとよいでしょう。
今回は、火災保険を中心に紹介します。
■火災保険にはどのような補償内容があるかチェック
火災保険には、住宅に関するさまざまなリスクに対する補償がありますが、加入している補償内容は加入内容で異なります。保険証券を確認して、次のどの補償に加入しているかチェックしましょう。
火災:自宅から出火したり、隣の家からの出火で自宅に延焼してしたりして、建物や家財が損害を受けたケース
落雷:落雷により家屋が損傷したり、電化製品が故障したり、建物や家財が損害を受けたケース
破裂・爆発:ガス漏れなどにより建物が破裂・爆発したりして、建物や家財が損害を受けたケース
風災・雹災(ひょうさい)、雪災:強風や大粒の雹、大雪により、建物や家財が損害を受けたケース
水災:台風や暴風雨などによる洪水となり、流されたり、床上浸水したりして、建物や家財が損害を受けたケース
外部からの落下・飛来・衝突など:自動車などが誤って突っ込んできたり、空から物体が落下してきたりして、建物や家財が損害を受けたケース
漏水などによる水濡れ:給排水管の事故で漏水したことにより、建物や家財が損害を受けたケース
騒じょう等による暴行・破壊:集団による暴力行為があり、建物や家財が損害を受けたケース
盗難:空き巣などに入られたことにより、建物や家財が損害を受けたケース
不測かつ突発的な事故(破損・汚損):うっかり起こしてしまった偶然な事故により、建物や家財が損害を受けたケース
基本的な部分のみ補償する「住宅火災保険」では、火災、落雷、破裂・爆発のみが対象となっているケースがあります。一方、リスクは幅広くカバーする「住宅総合保険」では、上記の大部分をカバーしていることが多いです。近年、大雨や台風による水害の増加により「水災」が注目されています。川から離れた地域でも、下水の逆流による洪水、床上浸水になるケースもあり、備えを充実させたい場合は「水災」にも加入するとよいでしょう。
■対象と契約金額をチェック
火災保険では、建物と家財を分けて契約します。建物だけ加入している場合は、家財の損害は補償されません。借家に住んでいる場合は、家財のみ契約することになります。また、火災保険の契約金額も確認しましょう。契約金額の設定には次の2種類があります。
・再調達価格:同等のものを新たに建築または購入するのに必要な金額
・時価:再調達価格から、年月経過や消耗分を差し引いた金額
時価より低く設定されていると、損害額の全額を補償されない場合があるので注意しましょう。
■地震保険は、火災保険とセットで加入が必要がある
地震・噴火またはこれらによる津波(地震等)を原因とする損害については、火災保険の対象となりません。また、地震を原因として発生した火災で被害を受けた場合も火災保険の対象となりません。これらの備えとして「地震保険」があります。地震保険は単独で加入することができず、火災保険とセットで加入する必要がありますので、火災保険の見直しと一緒に加入状況を確認しておきましょう。
■2022年は火災保険料がアップするケースも
火災保険の保険料は、損害保険料率算出機構が算出する「参考純率」を目安にして、損害保険各社が各社の事業費などを考慮して決めています。参考純率は、保険に支払いデータなどをもとに、社会環境の変化を考慮した上で算出されていますが、大規模自然災害の影響を受けるケースなど必要に応じて改定されています。
2021年6月に、火災保険(住宅総合保険)の参考純率が平均で10.9%引き上がることが示されました。改定率は建物の構造や所在地により異なりますが、保険料が値上げとなるケースが多くなると考えられます。各社の保険料に反映されるのは2022年となる見通しです。2022年以降に保険に加入、更新がある場合は現在より保険料が上がる可能性が高いと思われます。
■まとめ
・火災保険にはさまざまな補償の種類があるので、加入内容をチェックしましょう。
・建物と家財などの対象や契約金額を確認しましょう。
・洪水などの損害に備える場合は「水災」の補償に加入しましょう。
・地震等の損害に備える場合は「地震保険」に加入しましょう。
・地震等による火災には火災保険では対応できないので、地震保険で対応しましょう。
ぜひ参考にしてください。それではまた。
出所:損害保険料率算出機構
※コラムの内容は執筆当時の情報によります。
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